湘南のフリーペーパー TOWNY タウニー
コンテンツ一覧へ戻る
TOWNY PDF版最新号をダウンロード
TOWNYバックナンバーPDF版
TOWNY 茅ヶ崎版 ホームへ > MY LIFE

TOWNY MYLIFEタイトル

技拓株式会社 白鳥ゆり子社長のエッセイ。
スローライフの楽しみ方は必見。

TOWNY MYLIFEプロフィール写真
TOWNY MYLIFEプロフィール

本物の湘南スタイルを提唱する注文住宅 技拓株式会社 代表取締役。主に、家づくりのソフト面となるライフスタイルの提案を担当。心が豊かになる暮らし方、湘南での楽しみ方をコラムやイベントを通して紹介している。ブログはこちら

vol.
058

自分で作る化粧水

 石けんを自分で作っていることは、以前にも書いた事がありますが、ついでに化粧水も自分で作っています。

 私は敏感肌なので、市販の化粧水ではアルコールフリーでないと、数日でひりひりしてきてしまいます。そのため自分で作る際も、やはり無水アルコールは使用しません。通常化粧水を作るのに必要な物は、精製水とグリセリン。そしてアロマ精油。そこに私個人的には、更にキャリアオイルを加えてしっとりタイプに仕上げます。たったこれだけで化粧水が作れるのかと、驚かれる方もいるでしょう。

 自家製では、アロマ精油を季節に合わせて変えていきます。
冬はローズ精油が多く、夏はゼラニウムやローズマリーを使用することが多い。あとは、その時々のお肌の調子でアレンジしていきますが、保存料が入っていないので、1週間くらいで使い切るサイクルで作っていきます。

 化粧品会社の高い化粧水を、若い頃は使っていたこともありましたが、もったいなくてチビチビ使っていたことを考えると、今は安価でできることもあり、全身にたっぷりと使用でき、おかけで肌は保湿状態が非常によい。

 自分で作る化粧水には、既製品に比べて、アンチエイジング効果は少ないのでしょう。でも、肌に一番大切なことは、たっぷりと保湿をすること。余計な成分が入っていない事だと、長年実践していて感じています。あとは、栄養バランスのいい食事と、質のよい睡眠。これこそてき面ですね。どんなにお肌のお手入れをしたところで、これに勝るものはありません。

 自分の肌の調子をまず知って、簡単に作れるので、試してみる価値はありますよ。

vol.
057

「モノづくりを物語る」

少し前に面白い本をみつけました。虎屋17代目の黒川氏と、エルメス本社前副社長の斉藤氏との対談本です。本の中で、「日本人は手で考える」というフレーズが目に留まりました。わたし達は、確かに素材の良し悪し、モノの形などを確認するにとどまらず、やはり手から伝わる感覚をとても大切にする人種であることは、確かかもしれない。手先から得る感覚に五感を集中させることは、もはや当たり前の行為としてある。たとえば寿司を食べる行為すら、それに似ているとさえ私は思います。

あるいは、良質なモノに出会い触れる行為。材質の良さ、フォルムの美しさを手先からの情報で確かめようとする。その上で、その素材は何でどこからきて、何故このデザインが生まれたのか、背景にある物語を知りたくなる。「モノ」とは、そもそも文化的な背景を携えて生まれ、物事の背景にある歴史や文化が深くかかわり、それを知ることによって、そのモノがもつ本質が見えてくるとも記されています。それは家づくりという私たちの仕事においても、同じことが言えます。

今日本は、欧米文化を追いかけ、あらゆる「モノ」を取り入れてきた時代から、ようやくそのブランドの持つ世界観を、生活に取り入れる段階に入りました。ブランドだからいいのではく、そのブランドのもつ物語性に惹かれ、生活で世界観を体験する人たちが増えているのは、モノづくりについて理解が深まってきている証だと思っています。

これからの時代、モノの本質を知るために、まず自分たちの感覚を磨きながらも、質を重視した世の中になっていってほしいと、私は思っています。

vol.
056

街並みを考える

最近、自分の暮らす街について議論する機会が多く、自分たちでもできる景観づくり・街づくりがテーマになっています。
街並みって、誰が作っているのか。たぶん行政やら企業やら、そんな人たちがやっているんだろうと、思いがちですよね。もちろん市民団体の活動なども関わり、守られることもある。しかし多くは、家や施設が徐々に壊されたり、作られたりして、一つ一つが関わり街並みになるわけで、自分も街づくりの一員を担っています。自分の家を作るとき、また庭先の植物を考えるとき。とても小さなことからも街並みづくりは、関係していたり。だからこそ意識参加は、大きな役割に。

まずは、自分の周りから。そして、徐々に意識を自分の住む地域へ、そして街へ、市へ。環境というのは、いきなり崩れるわけではないということを心に留めておきたいもの。徐々にちょっとずつ、環境は壊されていきます。あの屋敷がなくなり、あの山が開発され、あの大木が伐採されと、少しずつ変化をしていくうちに、気がつけば、景色が変わる。環境が壊れていく。一度壊れたものは、そう簡単には戻りません。知らないうちに壊れてしまった街並みを、美しい姿へ戻すのは容易ではないと、時間の価値を知ることの重要性に気づかされます。何を残し、何を足していくべきかを、一人一人意識することがとても大切。普段から意識していないと忘れてしまうことなんですけどね。
街の歴史を知り、その土地や住む人を知り、どんな街にしていきたいのかを考える。時々でいいから、そんなことを話し合う場があってもいいですよね。

vol.
055

ルーティンをつくること

 ものごとを続けたいと思ったら、ハードルを低くして無理をせずに習慣化させる。貯金や勉強、運動など、長続きしなければ意味がないことを、ルーティンワークとして日々に取り込むことが出来たら、しめたものです。

 私は朝の半身浴を初めて、もうすぐ2年。これだけ続けると、朝お風呂に入らなければ気持ちが悪いとなる。今一番の健康法になっています。去年からは、お弁当貯金を始めました。お弁当を作ったら、500円を貯金する。目的は、旅行のためとご褒美をぶら下げる。そして、今年から新たに追加したルーティンは、朝身支度時の英会話レッスン。リスニングだけですが、ポットキャストで配信されているプログラムを聴きながら、出勤まで耳を傾けます。理解が出来なかったレッスンは、数日同じものを聴くこともあります。気になった単語は、あとでサイトを確認して理解を深めますが、まずは耳から実用英語に慣らすこと。これを日課にしています。私が一時だけアメリカに住んでいたのは、遙か昔。20年以上も英語を使わないと、単語や言い回しなんて、すっかり忘れてひどいものですが、改めてきちんと学ぶのもいいなと始めました。聴くという行為だけはもうすっかり、ルーティンづくりが出来ました。英語力を更に伸ばすなら、次のルーティンワークにかかってくるのだと思います。

 何かを続けたい時、最初からできないことをしないというのが、持続のカギになります。張り切りすぎて目標を高く設定せず、やれることから始めて習慣性をもつ。習慣になり面白くなって来れば、自然と次にステップアップしてくるものだと、実感しました。いかに、自分の生活の一部として取り込めるか。ルーティンをつくることは、上手な生き方のコツかもしれません。

vol.
054

町内の変化を知る

 ゴミ出しの変化について気が付いたのは、数か月前からだろうか。うちの町内会は、月係りと日係りがあり、それぞれの係りがゴミ問題について解決しなければならない。そんな中で、指定ゴミ袋も使わない無分別ゴミが突如現れた。住民は当然、町内以外の人が持ち込んだゴミと判断し、警告を掲示する。しかしその無分別のゴミが誰の仕業かわからない。初めのうちは、何故この規律ある町内でこんなことが突然起きるのか不思議だった。「市外から引っ越してきた人がいたかな?」など思いを巡らしてもみた。その酷いゴミの出し方に、住民も困った顔をしている。

 しかし、ふと思った。ここは高齢者が多い山の手の住宅街。例えばご高齢の奥様が先立たれたとする。今まで家事を任せきりにされていたご主人が、近隣にも聞けずわからないまま出しているとしたら。または一人暮らしになった高齢者で、すでに認知症の症状が出ているとしたら。古い住宅街ゆえに、高齢者が多く住む地域。今まで出来ていたことが、突然出来なくなってしまうこともあるのではないか。そんな風に思えてきた。

 最近多いと聞くゴミ屋敷も、色々な問題が潜んでいるのだそう。もともとは普通の生活をしていた人が、ある原因によりセフルネグレクトに陥り、社会とのかかわりを絶つことが背景にあるとも聞く。町内会は、ゴミ出し違反者にとかく厳しくなりがち。でもその背景に、認知症発症や、町内ルールをご存じなかった男性が地域とコミュニケーション出来ずにいる、という理由も潜んでいるのではないかと思うと、これから超高齢化社会となる日本において、改めて町内会の意味や役割を見直す時期なのかもしれない。

vol.
053

オリジナル風呂敷

ぶらぶらとお店を見ながら歩いていると、ふと足を止めてしまう場所があります。それは布の端切れコーナー。特に和柄やアンティーク着物などの端切れを見つけると、ついつい覗き込んでしまう。特に何か目的があるわけでもなく、気に入った端切れを少しずつ買っては、いつかなにかに使うだろうと。

長い時間をかけて集まっていった布で、突然風呂敷を作ろうと思い立った。端切れを縫い繋いで作る風呂敷は、どこにもない私だけのオリジナル。手縫いで時間のある時に、少しずつ製作するのでなかなか出来上がりませんが、次にどんな柄を持ってくるのかを決めるのが楽しい。

今、いろんな風呂敷の包み方の本や動画もあるので、需要もだいぶ増えている気がします。先日お正月の集まりで、一升瓶のお酒を持参する際にも、電車でどうやって持っていこうかと思いました。紙袋では瓶物は不安だし、大きいし重いし。そんな時こそ、やはり風呂敷の出番。結び方さえ知っていれば、いとも簡単に包めて、持ち歩きも楽々。そして何よりも、差し上げた時にちょっとした会話が広がります。

私は手縫いで時間をかけて作るので、風呂敷は持ち帰りますが、好きな柄の布を見つけてささっとミシン縫いすれば、そのままラッピングとしてプレゼントすることもできる。このひと手間が、またいい演出になるかもしれませんね。お土産を紙袋で差し上げてしまうことも多いなか、こんなひと手間の工夫で、安価なワインですら、立派なプレゼントになるかもしれません。

今年は、ちょっとした工夫を心掛けて、一ひねり、ひと手間をテーマに、暮らしを愉しんでいきたいと思っています。

vol.
052

器用ビンボー

興味をそそられることが多い。そこそこ上達が早い。が、なまじ器用であるために、あちこちに手を出し、どれも中途半端となって大成しない人を、器用貧乏といいます。

私も子供の頃から、勉強はさておき、スポーツでも手芸でもなんでも、一端手を出せばそこそこ上手に出来てしまう。スタート時点で、人よりほんの少し頭角を現す。しかしそれ以上には執着を持たず、次に興味が移る。そういった性格のため何かを極めたり、達成感を感じたりが少ない。自分には何も得意分野がないと、卑下さえしてしまう。

理由は、興味をもつとそこから派生していく疑問に興味が移り、それが多岐にわたるせいでそれぞれがつまみ食いに終わるのだ。ただし、スイッチが入った時の異常な集中力で、ある一定のテクニックを習得できてしまう。
そして、ふと思う。何か一つでも極めの域を垣間見ることもなく、ついにこの歳まで来てしまったと。自分にこれぞと自慢できる得意分野がなにもないと。これはしたり・・・。

しかし、人は言う。なんでも上手にこなせて羨ましいと。この感覚のギャップにこれまた気持ちが萎えるのだが、そもそも能天気な私は考えた。私の最大の特徴は、器用ビンボーでも飽きはしない点だ。何年経っても何十年経っても、好きなことは好き。そして更に、趣味には共通点がある。興味はすべて一つのモノゴトから派生していくからだ。それらをあと30年ほど続け、やめさえしなければ、人より上達は遅くとも大きな一つの繋がりを持って、何かを大成することが出来るかもしれない。そう思えば、今日も好き勝手に興味を広げる自分を、許そうという気にもなるものだ。

vol.
051

「猫と暮らす」

 私が初めて猫と暮らしたのは、いつごろだろうか?気がつけば、すでにそばにいた存在だった。今でこそ猫かわいがりをしている母も、当時は猫が嫌いで、子供の私たちが猫を拾ってくるたびに愚痴をこぼした。

 家の前の公園に、段ボールで捨てられた子猫や、やせた野良猫を見つけると、そっと餌やミルクを運び入れ、最後はこっそりと家に持ち帰る。動物好きならば、誰もが経験したことだろう。

 母に叱られながらも、動物を育てる意味を、助けられなかった幾つもの命の悲しみを、たくさん経験しながら大人になった。

 そして今は、猫が3匹。20歳の猫が今年の1月に他界し、
4月には愛犬も他界した。その時に1匹残った4歳のキジトラは、あまりのショックにヒステリックになってしまった。それがあまりに可愛そうだと思ったところに、ちょうど黒猫の子猫がやってきた。愛犬の死に際、「黒猫になって戻っておいで」とそっと耳打ちしたことが、本当になったのかと思うくらい絶妙なタイミングだった。
 2匹になったと思ったら、同時期に野良猫が家に居ついてしまった。前にも書いた寄り目の「ヨーリー」だ。飼い主を無くしたのか、すがるようにやってきた。まるでレイチェル・ウェルズ著の「通い猫アルフィーの奇跡」のように、この強引な猫作戦にはまってしまった。

 この3匹が今私を癒し、生活を共にしてくれる相棒たち。私は彼らの主のつもりでいるけれど、気がつけば彼らのシモベのようなこともしばしば。せっせと毎日、ご機嫌をとりながら、美味しいご飯を用意してやっている自分がいる。まあ、それもまたよしかな。

vol.
050

シンプルに生きるとは?

8月から会社のサテライトサイトとして、
暮らしをテーマにしたサイトを立ち上げたのですが、「自分らしく、シンプルに生きる」が最大のテーマになっています。
シンプルと一口で言っても、物質的でもあり思想的でもあり、テーマとしては難しいかもしれませんが、自分らしくシンプルに生きるとは、私はこう感じています。

若かりし頃は、流行などにとても敏感で、洋服でも情報でもメディアが発信するモノゴトをいち早く追いかけ、その中でどう目立とうかと思うのでしょう。しかし、40代半ばとなり、シンプルに生きることは、素の自分を感じることだと思うのです。それは洒落っ気も何もしないということではなく、今までに得た経験をもとに磨かれた審美眼を通して生きる、ということなのかなと。
今はインターネットの発達により、情報過多が起きています。あらゆる情報が勝手に流れ込み、自分が求めていることが何なのかわからなくなってしまう。目移りもしてしまう。だからこそです。素の自分とは何かをしっかりと知ることが大切で、まわりに惑わされることもなく、メディアに踊らされることもなく、人と比較することも競うことも焦ることもなく、自分が欲しているモノゴトを見極めていくことで、自分らしさを受け入れること。その実践の繰り返しが、やがてはシンプルな生き方に変わり、未来の自分を必ず素敵にしてくれるはず。これも今注目の、セルフマネジメントのひとつかもしれないとふと思っています。

vol.
049

石けんづくりの季節

 ふと気がつけば、夜中まで鳴きやまなかった蝉の声が涼しげな虫の声に変わり、あっという間に秋へと移り変わっていました。

 こうして涼しくなってくると、秋冬用の石けんを仕込む季節です。夏にダメージを受けたお肌の回復を願って、どんなオイルを使おうか、香りをどんなイメージにしようかなど、作り出す前にゆっくり考える時間が好きです。最近は、すっかり米ぬか石けんが定番となり、それ以外のレシピをあまり作らないのですが、それでも、季節で変化を付けます。米ぬかの量や選ぶ精油、石けんとして鹸化させないオイルなどを変えて、効果をチェックするのも楽しみでワクワクします。

 私のオリジナルレシピには、大変贅沢な石けんレシピもあります。オイルも厳選し、高価なローズ精油を贅沢に使っているので、使用時にはお風呂場全体にいい香りが漂います。それだけで女性って、なんだか嬉しくなってしまうもの。気持ちが沈んでいる時でさえ、ちょっぴり元気にしてくれます。

 お風呂の時間を大切にしたいので、私にとって石けんは重要なアイテム。泡立ちや香りを感じながら、疲れを癒す時間。バスタイムは、自分と向き合うことを大切にする時間といっても過言ではないかも。一日の締めくくりを気分よくしたいので、この秋もまた丁寧に仕込んでいきます。

vol.
048

いつかは緞通を

私が、「緞通」という物を知ったのは最近のことです。建築物として京町家に興味があり、町家に関する本やサイトを眺めるのが好きです。それらの写真を見ていると玄関や座敷に美しい文様の敷物が敷かれていることがあります。浅い知識の私は、京都の祇園祭山鉾巡行といえばペルシャやトルコの絨毯、ゴブラン織り、西陣織という考えから、その敷物もペルシャ絨毯だとばかり思っていました。ところが、織物と文様に興味を持ち出したことで、散々眺めていた写真は、中国由来の文様であることに気が付きました。それは、ペルシャから伝わりシルクロードを経て
中国に渡った絨毯「緞通」です。さらに中国から日本に渡り、日本で発展したものが日本三大緞通と言われる、佐賀の「鍋島緞通」大阪の「赤穂緞通」兵庫の「堺緞通」だと知りました。写真で見ていたのは、その鍋島緞通や赤穂緞通だったのです。

以前、明朝末期から清朝初期に宮廷に献上された、まぼろしのチャイニーズクラシカルラグの復興プロジェクトを手掛ける、倉敷市のMUNI CARPETに出会い、心奪われたことがあります。そのラグを実際に見て触れて、敷物の美しさに大変魅了されたのですが、日本の緞通は、その中国から伝わり独自の発展を遂げた絨毯でした。鍋島緞通に至っては、300年の時を超えてその伝統の技が今も残っていることに、衝撃すら感じています。

緞通は、私自身文様に興味をもつことで、新たに生まれた興味分野です。いつの日か、お気に入りの緞通を持つのが夢になっています。

vol.
047

文学と料理

子供の頃、大切にしていた本があります。

「赤毛のアンの手作り絵本」という本。物語にさらに想像を膨らませ、お料理や手作りの小物などが作られ、丁寧な解説付きで紹介されている本です。今でも大切にしていますが、物語をテーマにモノを作るって、とても素敵だと思いませんか?私が料理や小物づくりを初めて挑戦したのは、この本に魅せられたのがきっかけでした。

最近は、そういった本が少し増えている気がします。映画に登場する料理の本、というのも見かけました。また駒場公園内に
ある日本近代文学館の中に、「BUNDAN」という文学カフェがあるのですが、そちらで出されているメニューも、小説の中に描かれた料理たち。そして、BUNDANレシピとして、「食べ物語る」という本も出版しています。

私自身も本を読みながら、そのお話に出てくる料理のことを想像するのがとても好きです。昔、嵐山光三郎著「文人悪食」という本が実に面白く、食を通して文人を垣間見ることが出来た気がしました。料理が登場する本はあげればきりがないのですが、読んでいるだけで想像力を掻き立てられます。それがレシピとして本になる、また実際に食べることができる場所があるというのは、実に魅力的で面白い。実際のメニューから、まだ読んでいない本に魅せられる。そんな文学と料理の融合がある場所。2万冊の本に囲まれながら、小説のレシピを食す。つくづくにくい発想だなと感心してしまいました。

vol.
046

野良猫立寄り所

我が家がある地域は、驚くほど野良猫がいない。去年の秋まで、私が確認したのは黒猫1匹だけだった。たった1匹の野良猫では、さぞや寂しかろうと思っていたら、その猫がひょっこり我が家に顔を出すようになった。

もともと黒猫が欲しかった私は、手なづけてうちの子にしようと思ったのものだから、餌をやったり懐くまでの間の小屋を用意したりと、懸命にご機嫌取りをした。とても静かで臆病なその猫に、「ゾルバ」と名前もつけたが、警戒心から一定の距離を保ち、心が通じ合うのに時間がかかりそうだった。

そうこうしているうちに、突如新参者の野良猫がやってきた。他にも野良猫がいるとは、驚いた。まるで我が家に餌があるのを、どこかで聞きつけたかのように、餌を求めて訪ねてきた。静かなゾルバとは違い、耳が噛みちぎられ体もがっちり、餌をもらっているのに威嚇をする厳つい風貌。この猫が来てから、突然我が家が縄張り争いの場と化し、可愛そうなゾルバは追いやられてしまった。

正直、私はこの野良猫を憎たらしいと思ったけれど、朝晩「ご飯をくれ」としきりにねだってくるものだから、猫好きとしては、無視するわけにもいかない。ゾルバを心配しつつも、日に日に私へ警戒心を解く寄り目の猫に、「ヨーリー」と名付けてやった。

そのヨーリーが、今や骨抜きの甘ったれ猫へと変身し、ゾルバの小屋に住み、お風呂に入れられ首輪をつけて、晴れて我が家の一員となっている。おまけに猫の思惑に人間の私がまんまとハマり、今や小屋も嫌だと言い出して、家の中でくつろぐ有様。

凶暴な野良猫を手なづけたつもりが、猫の言いなりになっているのは、実は私なのかもしれない。

vol.
045

手仕事効果?!

誰にでも必ず来る、後期高齢者になる時。 80歳を過ぎても、シャキッとされた方。60代で、年齢よりお年めした印象の方。大病をされたり、背景には個々の抱える問題があったりと一概には言えないのですが、ただ実際に90歳を超えて、とても元気な方がいらっしゃるのも事実。お話も大好き。頭の回転もいい。お出かけも積極的で食事もきちんととる。そんな方に限って、お仕事を現役でされていたり、手先を使う本格的な趣味を持っていることが多いように思います。 著名な方では、朝ドラのモチーフにもなった「暮らしの手帖」を作ったエッセイストの大橋鎭子さんは、3年前に93歳で亡くなられましたが、90歳を過ぎても出社されていたとか。染織家の志村ふくみさんは、91歳。美術家の篠田桃紅さんは103歳。本にもなった、90歳を超えても現役で働くポーラレディなど、今挙げた方々だけでも、皆さん指先のお仕事をされていることに、ふと気が付きました。

これはあくまで主観ですが、まわりにいる認知症の初期症状では?と思える方や、精神的な病を発症したご高齢の知人などを思うと、仕事はもちろん、あまり趣味をもっていないケースが多いように感じたのです。お料理をする、針仕事や絵を描く、文章を書く、モノを作る、畑作業。何でもいいと思いますが、やるならば個展に出す、発表の場を設ける、消費者に買ってもらう等々、評価を得られるレベルで、物事に取り組むことが大切なのかなと。人から評価を得るために、努力をする、頭を使う、より良くなるための工夫をする。そういった一連の過程が、気力を生み、頭を鍛え集中力をあげる。夢中になることを体が感覚として捉え、それが評価に繋がれば正のスパイラルを生み出していくのではと。もちろん体力的な問題もありますが、それは個人努力の積み重ねでカバーもできる。黒柳徹子さんも森光子さんもスクワットを欠かさないなど、高齢だからこそ努力をされてきたとか。

歳を取ってから、よりよく人生を過ごすために、長く向き合える本格的な趣味を持つことの大切さを、私は感じています。

vol.
044

目を向けたその先に

庭のクレマチスが咲くと、ようやく春が来たなと実感します。そして近所の山桜が続々と満開の時期を迎えれば、今度はジャスミンやハナミズキが花を咲かせ始め庭先が賑やかになると共に、野鳥たちも巣作りに大忙しな様子。リスもキブシの花を、口いっぱいに頬張っていました。野草もあちらこちらで花を咲かせているので、春になると我が家も、野の花を中心に部屋を飾ることが増えていきます。

以前、「ゲゲゲの女房」という漫画家水木しげるさんのドラマをやっていた時に、奥さまがナズナをお部屋に飾るシーンがありました。ナズナは別名ぺんぺん草といって、子供の頃は遊びの材料になったり、摘んで遊んだりしました。空き地に鬱蒼と茂るナズナも、ああして小さなガラス瓶で一輪挿しにすると、種の部分がハートの形をしているので、ちょっとかわいい。雑草だと思って侮れませんよ。

野草には、ヘクソカズラ、オヤブジラミやイヌフグリなど、少し変わった名前のものもありますが、どれも名前と反して小さなかわいい花を咲かせます。茎を切ってしまうとあっという間に、花が落ちてしまうものもありますが、この可愛さを家に持ち帰り、小さなビンやお気に入りのお皿に入れて季節を楽しみたいもの。私は散歩の際に、野草の本を持って出かけることも少なくありません。

今日も散歩に出かけた際、草むらで種がはじけ飛ぶ植物に出会いました。きっとアブラナ科の植物だと思いますが、そうした植物を、爆発植物と呼ぶそうです。カタバミなどがそうですね。そのはじけ散る瞬間や胞子を飛ばす瞬間などを写真に残す、素敵な写真家がいます。以前、植物生態写真家の埴沙萌さんを番組で知り、この小宇宙の世界に魅了されたことがありました。私も犬とのんびり散歩をしていると、どうしても足元に目が行きがちになります。そのせいもあって、足元に広がる小宇宙の楽しさに気づけたのかもしれませんね。埴さんを知って以来、ますます興味が深まりました。

心の目が向けば、そこには必ず新しい世界が広がっています。たとえば野草は、私がそれに気づけたことのひとつのようです。やはり何事にも関心を持つって楽しいものです。しばらくは、また公園通いが続きそうです。

vol.
043

アシタバの意外な効果

先日、ご近所で仲良くしているご年配の方から、家庭菜園のアシタバをいただきました。去年種をもらったので、庭に撒いてみたところたくさんの葉が出てきたからと、お裾分けしてくださいました。アシタバは、芽を摘んでも翌日にはまた新しい芽を出すことから、「明日葉」と言われています。
私は以前の仕事で、新島に行く機会が多かったため、この明日葉料理が楽しみのひとつになっていました。天ぷらはもちろんのこと、明日葉のピーナツ和え、シマアジと明日葉で作ったさつま揚げなど、民宿のお母さんが作る手料理が楽しみでした。またこの少しほろ苦い味が、疲れた身体を元気にしてくれる気がします。何故苦いものって美味しいのでしょうね。気になって、明日葉について調べてみると、意外なことを知りました。びっくりしたのが、ダイエット効果があること。デトックスによるむくみ解消や便秘解消効果。ミネラルもビタミンも豊富で、また明日葉にしか含まれないカルコンという成分には、ダイエット効果と共に、殺菌・抗菌作用もあるのだとか。お茶やサプリメントとして、継続して摂取することにより、ダイエットでも一番落としにくいセルライトの解消にも効果があるとは、素敵な情報です。
ダイエットへの期待はさておき、大好きな野菜でありながら、いろいろと効果があるとするならば、今度いただいた方から種を分けてもらって、自分でも育ててみたくなりました。考えているだけで、また明日葉の天ぷらが食べたくなってしまいました。

vol.
042

空間で楽しむ香りの世界

香りに興味を持ったのは、確か中学生の頃のこと。母が肌着を入れた抽斗に、香りのいい外国の石けんを忍ばせていることを知って、私も甘い花の香りがする石けんを母からもらい、大事にしていました。その外国の石けんの香りを嗅ぐたびに、幸せな気持ちになって、また移り香のする肌着を身に着けるのが嬉しかったのを思い出します。高校生になっても、抽斗には石けんを入れる習慣は続き、20代の頃にはアロマが流行り出し、夜はラベンダーを焚いて眠りにつくのが私のリラックス法でした。
そして10年ちょっと前、偶然にも石けんを作り始め、その石けんの香りづけのためにアロマの資格を取り、配合や効能を知ると、その日のお天気や気分などに合わせて、我が家では、芳香浴で香りのおもてなしをするようになりました。
そのうちに、伝統的な日本の香りに興味を持ち出したのは、自然のことでしょう。茶道も知らない私が香道を知る由もなく、体験すらないのですが、様々な姿かたちをした香炉の美しさには、常々心惹かれていたので、ひとまず一つ購入してみました。自分の香炉を手に入れたら、香りを焚いてみたくなるのは人の常。京都の香老舗より、灰と炭を用いて温めて楽しむ印香や練香を取寄せ、部屋で香りを漂わせる「空薫」で初めての香りを聞くやいなや、まあその古来より伝わる日本の香りのはんなりたおやかなこと。香老舗秘伝の練香などをじっくり楽しむのも、私の癒しのひと時となっています。
今年は、香りをめぐる京都の旅をしながら、一番お気に入りとなる香炉や香りを探してみたくなりました。

vol.
041

招き猫

商売をやっている方は特に、なにかとご縁のある招き猫。よくお店などで見かけることがありますね。私も事務所に飾っていますが、自分でも作ってみようと急にひらめき、フェルトニードルで自作してみました。少しでも本物に似せたいと、いろいろな招き猫の写真や置き物を見て研究していくうちに、どうやら招き猫に魅了されたようです。色や形、招く手も右に左に両手にと様々。招き猫に関する本も出ていて、各地の郷土玩具作家モノだけでなく、骨董品からアート作品まで幅広く、昔も今も日本人に愛されているよう。

この招き猫の発祥の由来は諸説があるようですが、もっとも有力なのが世田谷の豪徳寺と言われています。江戸時代前期にさかのぼり、彦根藩主井伊直孝が鷹狩の帰りに近くを通りかかった際、この寺の境内へ猫により招き入れられ、雷雨を避けて和尚の素晴らしい法談を聞くことが出来たことを喜び、井伊家御菩提所とし、貧乏だったこのお寺に資金を提供して寺を立派に立て直したのだとか。

私はまだ行ったことはないのですが、願が成就して返納された招き猫が鎮座する数の多さは圧巻の光景だそうですよ。私は猫も好きだし、ここ最近たまたま幕末の歴史に触れる機会が多く、あの桜田門外の変にて暗殺された井伊直弼の墓もあるし、戦国時代に建てられた由緒ある寺として、歴史的にも興味深い場所です。ひとつのひらめきから興味を持ち、ぷらっと散策に行ってみたくなりました。

今年は、そんな散策をちょこちょこやっていきたいと思っています。

vol.
040

冬ごもり

寒くなってくると、私も含め周囲では途端に、手芸の話題に花が咲き出します。カギ棒編みを楽しむ人、編み物に集中する人、キルト、刺繍などなど。みんな、暖かい部屋でそれぞれのものづくりを楽しんでいるよう。やっぱり、寒い冬には何かを作りたくなるものですね。去年の私は、フェルトニードルに初挑戦してみましたが、今年はどうしても縫い物がしたいと思い立ち、以前買ったままになっていた刺し子キットに挑戦しているうちに、ふと気がつきました。

大好きな手ぬぐいも、もともと日本の伝統文様が好きで、モダンな柄よりも文様柄を集めていました。それを自分の手でチク チクと縫えるのは、非常に楽しいと気がついたのです。ひと針ひと針刺すごとに、文様がかたどられていくこの面白さ。すっかりハマりました。

20代の頃から始めたクロスステッチもそうなのですが、北欧の伝統模様も実に心惹かれます。西洋の模様も、中国の伝統文様しかりペルシャ絨毯の模様など、どの国のものでも大変興味深く、また共通点もあったりします。人はなぜ、幾何学模様に惹かれるのでしょうか?不思議ですね。

日本の伝統文様の中には、西アジアからシルクロードを経て日本に伝わった外来の文様もあったりして、ひとつひとつの形や意味を知ることで、文様から歴史を紐解くようで楽しみながらやっています。

針仕事は肩が凝りますが、心が無になって気持ちがリセットできるし、細かい模様が完成した時の達成感にワクワクしてしまいます。 今年もまた、冬籠りの楽しさを見つけてしまいました。

vol.
039

手作りポン酢

実は私、あまり鍋が好きではなかったのです。その理由は、ポン酢があまり好きではないから。もともと、お酢が苦手だったんですね。
しかし、調味料に興味を持ち、全国の気になった調味料を試しているうちに、はんなりとまろやかな京都のお酢に出会って、お酢が食べられるようになりました。そして、その蔵元のポン酢商品ももちろん美味しいのですが、自分で柚子ポン酢を作ってみたところ、びっくりするほど簡単で美味しい。子供の頃大嫌いだった市販のポン酢とは、まるっきり違うことに驚きました。化学的な酸っぱさや強い香りとは逆に、鰹と昆布のいい出汁に柚子の香りがふわっと広がり、少しみかんを入れてまろやかな味に仕上げます。

それからというもの、私はすっかり鍋奉行。
自分で作った柚子ポン酢が嬉しくて美味しくて、寒くなるとしょっちゅう鍋をやるようになりました。我が家はポン酢だけでなく、鍋に合う柚子胡椒も自家製です。緑の柚子胡椒と赤い柚子胡椒の2種類を楽しみます。鍋は野菜がたっぷり食べられて、体を芯から温めてくれる、日本の素晴らしい食文化ですね。なんて、今更ながら実感しています。

もうじき、寒い冬がやってきます。鍋を囲んで、家族や友人と楽しい団らん。せっかくだから、自分でポン酢を作ってみませんか?

vol.
038

墨絵を暮らしに

下手ながらも、伯母の指導のもと絵を習い続けています。私が習っているのは、日本画の描法のひとつ「水墨画」です。伯母はいくつかの教室を持つ中で、水墨画の技法「付け立て」に関心を持つ人が減っていることが、悩みなのだとか。特に若い人に広がっていかないのだと。そこで、先日伯母がワークショップを開催する際に、お手伝いをすることになり、私はある提案をしてみました。

「日本画」「付け立て」「水墨画」と言うだけで、なんだかとても難しそうなイメージがしませんか?その初めの段階で感じる先入観を取り払うためにも、まずよりわかりやすく「墨絵」と表現してみるのはどうかと。そして、「ハガキに墨絵を描きましょう」
「お手紙に挿絵を描きましょう」ということから始めてみることで、日常に取り入れてもらえるのではないかと感じました。実際に自分自身が習っていて、墨絵の可能性は幅広いなと、常々実感しているからです。そこで、初めて習う側から教える側として、ご年配の方に描き方の指導を体験し、入り方次第ではまだまだ興味を持ち、芸術という堅苦しさではなく、気軽に暮らしの中で楽しんでもらえる可能性を感じました。

今般、日本の様々な伝統に携わる方々から、時代性に合わせて生活の中に取り入れてもらいづらいのだと聞きます。メディアだけでなく実際に身近な人からも、どうしたら今の人達に良さを伝えられるかという苦悩を聞きます。美術だけでなく芸能、技術、文化、食材といったあらゆるジャンルの中で、大変苦労をされているよう。私はそれらに魅力を感じ、少なからずとも関わりたい者として、暮らしに馴染み、次の世代までそれらの良さを残していかれる、そんなお手伝いができないものかと、伯母の傍らで模索を始めているところです。

vol.
037

心の準備

 愛犬がもうすぐ15歳になります。歳のわりには元気だと思っていたのですが、去年あたりから体調を崩すことが多くなってきました。犬は人間の4倍の速さで年を取るそうです。速さが違うことを頭では分かっていても、老いへの変化に意識がついていけません。我が家の愛犬は毛艶もよく見た目が若いので、私もついつい、まだまだという気持ちにさせられてしまいます。
 が、ここ数か月ほど何かが違う。何をするにもなんとなく違う。私には、彼が徐々に無口になっていくのを感じました。耳が急に遠くなったせいかと思いつつも、何か気になり病院に行くと、

もう脾臓が破裂しそうだということで緊急手術へ。悪性リンパ腫が原因で、1か月ちょっとで急に5倍に腫れ上がったようだとのこと。余命半年ほどと宣告を受けました。子供のようにペットを思う人は多いでしょう。可愛くて赤ちゃんのようなのに、ペットが知らず知らずに老いてしまっている。それを頭ではわかっていても、やはり実感するのはこういう時なんですね。
 半年といっても、彼にとっては2年。転移が始まっているので、宣告は的外れではないのだと思います。愛犬にとっての2年、
私にとっての半年。どう向き合うか、心の準備期間に入ったんだと自分に言い聞かせています。ひょっとしたら、破裂して助からなかったかもしれない命。拾った命と思って、残りの時間をお互いができるだけ満足して、楽しく過ごせたらいいなあと思って
います。

vol.
036

本の世界

私の中で、周期的に訪れるのが、読書集中期間。根っからの本好きの人には足元にも及びませんが、本来本を読むことは好きです。
子供の頃にも、読書コンクールで読書感想文が県内1位になったこともあったりして、本の面白さは知っているつもり。ただ、通勤も車なうえにやりたいことも多すぎて、1日24時間の中で、読書がランキング上位から外れてしまう期間があります。ここ2年ほどは、読書の時間をじっくり楽しめなくなっていました。
きっと「本を読む」行為って、心理状態が大きく影響しているのかも。アクティブに動き回りたいときに、じっくり独りの時間を楽しみながら読書をしようとどうしても思えなかったり、帰宅してから何もしたくない時期もあったり。そんな時にせいぜい読むとしたら、情報収集的な実用書や知識を詰め込むような行為の仕事関連の本ばかり。せっかく人に勧められた小説も、購入してみるものの、まったく気持ちが入らない。
それが最近急にスイッチが入り、ワクワクしたり、ほのぼのしたり、キュンとしたり、いろいろな感情が味わえる本の世界に入り込んでいます。まさに集中期間がやってきたという感じ。こうなると、もうどんな時間も使いたくなるので、同時に何冊も読みだします。ゆっくり読める時間には小説を。短い時間には区切って読める、短編小説やエッセイ・自伝・ノンフィクションもの。それぞれがそれぞれの場所にあって、その場所でちょこっと読みをするのが癖です。この周期的に訪れる読書期間に、必ず好きな作家さんや本に出会います。
ここで出会った本から得た物事や、感じた気持ちって、長く心に残るんですよね。今回も、心に残る素敵な本に、あと何冊出会えるかな?

vol.
035

暮らしの本質

暮らすと生活するは、同じこと?

私は、ちょっと意味合いが違う気がして、意味を検索してみました。やはり「生活する」には経済活動や習慣、手段などの意味合いがあり、「暮らす」には「生き方」なども含めた、より広い意味を表すようです。

私もライフスタイルの提案をする中で、「暮らし方」という表現は、とてもよく使います。また多くのお客様からも、当たり前の毎日がちょっとした工夫で、大切な時間になることに気づかされます。大事なのは、「ちょっと」を面倒くさがらない習慣なのかも。また、暮らしやすい空間を考えた時、ほどよく物が無いことが重要だと気が付きます。物が溢れ出すと、空間は途端に
安らぎを失い、人は整理することを諦めはじめます。これでは「暮らし方」もなにもありません。重要なのは、その空間が居心地のよい場所であり、物は我々の「暮らし」に役立つこと。そうでなければ、価値すら失われてしまいます。暮らしを愉しむために、必要かどうかを念頭におくことが大切なんですね。

もちろん物が溢れていても「生活」はできますが、「暮らす」という意味合いからはどんどん離れていく。時には喧嘩の原因にすらなることも。人は心地のいい空間を求め、小さくても自分だけのスペースや、独りの時間がほしいと思っている。だからこそ、この「暮らし方」というのがとても重要になってくるんですね。いつも神経質に綺麗である必要もなく、ほしい物を限りなく入れられる広さでもないでしょう。また、居心地の良い空間を作り出すことは、お洒落かどうかとも違います。小さくても快適な空間構成と、少しの工夫と演出でほどよく整理されているかどうかです。

「暮らし方」は、自分がどんなことに癒されるかを考え、その理想に近づくために、限られた空間の中で、足したり引いたりすることで、見えてくるのではないでしょうか。

vol.
034

普段使いは野草で

植物に興味を持たなければ、道端に咲いている雑草と称される草花に、目を向けることは少ないかもしれませんね。特に街中では多くの野草を見かける事すら難しいかも。

子供の頃、公園などでシロツメクサやイヌフグリなどを摘んだり、雑草をおままごとに使ったりはあったと思います。タンポポなどでも、在来種と西洋タンポポとあり、形の違いは興味がないと、案外知らないかも。

毎日花を飾ること。女性は特にやりたいと思っているはず。でも365日買ってきて飾るのってとても大変。ならば、特別な日と普段使いと分けて、毎日飾る方法として野草の登場です。犬の散歩などで歩き観察すると、必ずご近所にもあるはず!どこにでもあるイネ科だって、キク科だって、飾り方と入れる器しだい。立派な花器である必要もなく、お気に入りのガラスの食器でも、形のいい空き瓶でも、とにかく自由に楽しく。

大切なのは、どんな風に活けたいかを考えて飾ることだけです。自分の可愛いと思う植物を、なるべく自然に葉の向く方向に沿って飾れるように、茎を切る長さのバランスや、入れる器の大きさに気を付ければいいんです。これが綺麗に見えるか、雑草を突っ込んだだけになるかの大違いに。空き地や道端にある無視されていた雑草に、改めて命を吹きこむように変化させられれば、部屋のあちこちに植物が飾れて楽しいですよ。
最近はドクダミ草、ナルコユリ、ツユクサ、ヒメコバンソウ、オヤブジラミ、ヒメツルソバなどを飾り楽しみました。名前がわからない物は野草図鑑を見て、知識が増えてそれもまた楽しい野草たち。雑草と言って侮ってはもったいない可愛さです。

vol.
033

朝の半身浴

私は早起きが大の苦手です。恥ずかしながら、ギリギリまで寝て、バタバタと支度をして仕事に向かう毎日。すべての片づけは、夜に行うという習慣でした。40代になって、夜更かしも出来なくなってきたにもかかわらず、朝も起きられないという情けない人。いい訳として10年ほど前に、ケガにより首を痛めて以来、睡眠の質が悪くなりました。それに加えての最近の運動不足。悪循環でますます起きられない日々・・・
それが、最近休日のウォーキングを取り入れたことに加え、とある方の影響で朝の半身浴を始めてみました。15分早めに起きて半身浴をしたその日、体が冷えずとても調子が良かった。でも時間が足りずバタバタな朝。なので、結局1時間早く起きて、時間に余裕を持たせることにしました。心を無にするようにゆっくりと半身浴をする。と驚いたことに、毎日夕方には足がパンパンにムクんで、靴下のゴムが食い込み辛かった現象が、ほとんど起らない!下半身が冷えづらくなり、体が軽いんです。体調だけでなく、朝に時間の余裕をもつことで、心も体もスタート前の準備が出来たような気持ちで、より充実した1日を過ごせるようになった自分に驚いています。

寝る時間も今まで通りなのは、きっと睡眠の質も向上しているのでしょう。最近この気持ちよさに味をしめ、もう少し早く起きられないかと、自分と調整しているところ。あと30分早く起きられたら、何をしよう?

今までの私はどこに行ってしまったの?と思うくらい、朝が好きになれたのは、半身浴の効果だと思っています。

vol.
032

春からのスタート

なかなか寒さが抜けない4月でしたが、自然のサイクルというものは、本当に規則正しく訪れます。身近な場所でも梅が咲き、モクレンや桃が咲き、桜が咲き、ツツジが咲きと、毎年どうしてこうも正確に季節を感じ取るのだろうと、自然の力に感心するばかり。落葉してしまった木々も、まるで湧き出るように若葉をつけて、外の景色が一変するこの春は、生きてるな~!と感じる季節ですね。鳥たちも活動的になって、メジロのお世話以来、鳥の鳴き声に耳が集中しているせいか、春になると鳴き方に変化がでるので面白い。

色や形では見えないけれど、大地から受けるエネルギーを一番感じるこの時期。なんだかソワソワして、新しいことをやりたくなるのは、そういった影響なのでしょうか。新年にまずは抱負みたいなことを考えるのですが、寒さと忙しさで半分以上やれていないのが現実。でも「この春からやろう!」と決めたことって、エネルギーに満ち溢れているからか、意外と続く気がしませんか?

子育てがひと段落して、大学に通われる大人も増えていますよね。私は、学校にはいけませんが、少し勉強を始めました。勉学に限らず、何か新しいことを吸収するって、とても素敵なことだと思います。

皆さんも、この春から新しいこと始めてみてはいかがですか?

vol.
031

「WECK瓶を使って」

「WECK」というドイツ生まれの保存瓶をご存知ですか?見ためがかわいいので、いろいろな用途で使っている方も多く、プレゼント用の容器や、見せて飾るにもお洒落なアイテムです。  実はこの瓶、研究が重ねられて、非常にシンプルで安全な密閉法により、調理された食材を長く保存することができる優れものなんです。市販の瓶詰めと同じことを自宅でできるわけ。それって素晴らしいことだと思いませんか?食材を調理して適正な脱気方法で瓶詰めすると、3ヶ月から半年は楽しめる。

私は休みの日に作り置きした食材を、長期保存用に小分けすることもしばしば。しかも常温で保管ができるのはありがたい。

またこの瓶はスタックができるので、冷蔵庫の中でも、作り置きした脱気なしの料理も並んでいます。瓶も大きさや形などが いろいろあり、物に合わせ、生活スタイルに合わせて、作り置く事が出来ます。

普段仕事で遅くなるため、1人前用に小分けしたトマトソースを使ったり、スープを温めたり、おかずでもデザートでも、もちろんジャムなんかも長期保存が可能なので、疲れて帰ってきてもすぐに食事にありつけます。嬉しいのは、旬の食材を長く楽しめる事。これは、本当にWECK様様だと思う瞬間です。  時間と知恵を上手に活用して、豊かな暮らしを愉しむ。こういう暮らし方に贅沢を感じています。

vol.
030

「てづくり」

以前にも、味噌づくりについては書いたことがありますが、今年も懲りずに大量のお味噌を仕込んでいます。我が家の分だけにとどまらず、私の味噌づくりに賛同してくれたお友達が、既に3グループも「お味噌の会」に参加してくれて、冬の一大行事になりつつあります。

昔は各家庭で女たちは、色々なものを自分たちで作ってきました。そうすることが当たり前だったし、そうするしかなかった。それはある意味大変な負担にもなっていたので、世の中は便利をめざし、時代とともに商品開発が進み、これまた当然のごとく各家庭であらゆるものが作られなくなっていきました。それはそれで別段悪いことでもないし、自分で作ったからえらいという話でもないのですが、私が今手作りに夢中な理由は、なんといっても作った方が美味しいからでしょう。「おいしくな~れ」の魔法が本当にかかったように、手作りはなぜか美味しい。それだけのことなんです。そこにたどり着くまで、好みの物に出会うため、あれは違うこれは違うといろいろ試すんですが、しっくりこない。足してみたり引いてみたりしても、納得がいかない。そのうち手作りでやれることを知る。知識をつけたら「えい!ならば、つくってしまえ!」となるわけです。自分で手間暇かけて作るもんだから、無駄にはしたくない。最後の最後まで使い切りたいという気持ちが働くので、始末のいい暮らし方になるというのが人の心理なんですね。おまけに作りはじめると素材に拘るので、それは美味しいに決まってる!一見割高かなと思いますが、そうじゃない。実は余計なものを買わない分お得だったりするんです。これは食べ物に限らず、他の事でも言えます。

たとえば私が作る石けんも然りです。自分の肌に合いそうな石けんを探し求めては、失敗したり高価なものに手を出してみたりいろいろ試しましたが、結局は自分の事は自分が一番よく知っているので、石けんのつくり方とオイルの性質を知れば、自然と肌に合った石けんが作れるもの。市場で売られている商品の多くは、売れなければ意味がないので、あくまで大衆向けです。本当に自分が満足するためには、自分を追求することが一番なので、私は手作りという手段を選んだってことかな。

ちょっと話が大きくなってしまいますが、人生って結局のところ、自分自身を追求することなんですよね。ストイックに追求するか、ゆるく楽しく追及するかは人それぞれですが、人は常に、自分が求めているものを探す作業を繰り返してるわけ。美味しい食べ物探しだって、かわいい洋服探しだってみんな一緒。こんなものがほしいという動機があって、探している途中でそこそこで妥協するか、最後にピッタリの物に出会うか。

私は追い求めて探しているうちに、手作りという世界に引き込まれてしまったんだなぁ。次は何作りを極めようか。そんなことばかり考えて楽しんでいます。

vol.
029

「鎌倉山のメジロ」

去年の7月、我が家の優秀なハンター猫が、巣から落ちたとみられるメジロのヒナを咥えて帰ってきました。その猫は、99.9%仏さんにしてしまうのですが、このヒナに関してはすぐに救い出したこともあり、ほとんど無傷でした。野鳥保護センターに問い合わせてみると、保護目的であれば一時的に面倒を見ても構わないという事で、それから2か月半のメジロとの共同生活が始まりました。

6月に幼馴染を亡くしていたので、まるで彼女が戻ってきたような気持ちがして、私がしてあげられなかった彼女への思いと重なり、懸命に世話をしたところ、野鳥とは思えない程よくなつき、いつも私を目がけて飛んできては餌をねだり、夕暮れ時には髪の毛の中にもぐりこみ眠るのでした。

それがある日突然、3羽のメジロが迎えに来て、導かれるように巣立っていったのですが、飛び立ってしまってから1時間ほど経って、1羽でまるでお別れを言うかのように、顔を一瞬だけ見せに戻ってきました。それ以来間近まで来ることはありませんでした。あれから4か月近く経ち、餌が少なくなった冬を心配して、正月から自宅デッキにミカンを用意してやると、つがいのメジロが餌を摘みにやってきます。あの子かもしれないし、そうでないかもしれない。でも、野鳥と触れ合った濃密な時間で、私はメジロの小さな声も聴き分けるほど、メジロ好きになったのは、言うまでもありません。

春になったら、巣立ったあの子が、巣を作りにまた戻ってきてくれるのが私の夢です。

vol.
028

『メイド・ローカリ―』

地元で作られたものを、日常的に暮らしに取り入れていますか?

グローバル社会の発展に伴い、ネット通販も一般化したなかで、どんなものでも簡単に手に入りやすくなりましたよね。もちろん私も活用しているし、今までなかなか手に入らなかったものを楽しむということが安易になってきました。それはそれで、大変いいことだと思っています。

物流に関して言えば、離島は別としても、住む地域によって格差はだいぶ減ってきたし、暮らしを愉しむうえで物流のグローバル化は、本当に有難いことだと思います。でも、その代りにどこへ行っても同じものが大量に流通し、情報が溢れ、地方性というものが薄らいできたのも事実ですね。そんな中で、人々が徐々に自分の足元である地元の良さを再確認し、『メイド・ローカリー』への注目度が上がっていることは、当然の現象なんだと思います。そして、私ももちろんその一人であって、最近、湘南のことを知っているようで、未知の世界がまだまだたくさんあることに気が付いてきました。テレビや雑誌で取り上げられる湘南は、どこも似たり寄ったりで、一度注目を浴びたお店やスポットばかり。でもせっかく地元に住んでいるのだから、地元で作られているドローカルなものにもっと着目するべきなんだと、最近強く感じています。地産地消がクローズアップされてから久しいですが、必ずしも地産でなくとも、湘南に住む人によって作られた価値ある商品を、地元の人間がこよなく愛する。マスメディアに取り上げられたものだけが、一過性の行列やお土産で留まらず、地元できちんと消費していくという形が定着していくことが、とても重要なんだなと。

たとえば、地方の新鮮な野菜を取り寄せるのも悪いことではないけれど、それが地産で簡単に手に入るようになったらもっと素敵。地元産のものだけを使った料理が食べられるお店や、地元で採れたもので出来た商品とかそういったものが、あるネットワークの中でもっと簡単に手に入ることができたら、もっと地産地消が広がるのかなと。個人商店の商品にとどまらず、湘南で活動している作家さんの作品なども含めて、点在する良質な品々がまとまって選ぶことができる拠点が、もっともっと増えてくれたら嬉しいなぁ。なんてことを最近考えているのです。観光客のためでなく、ローカルのための日常のための「メイド・ローカリ―」を応援して、地元がもっと活性化したら素敵ですよね?

vol.
027

「発酵食品で健康管理」

最近、食生活で健康管理を意識しようと気を付けています。というのは、仕事を休めないという気持ちから、風邪っぽい、頭が痛いなどの症状が起きるとついつい、薬を安易に飲む癖がついている自分に危機感を覚えたからです。

ならば、体質を改善するためにはまずは食事から!そこで、発酵食品に改めて着目しました。お味噌はすでに自宅で作っているので、前々から興味のあったぬか漬けも始めました。日本の伝統食品である発酵食品には、世界が注目しているように健康や美容に大変効果があるわけで、乳酸菌多くが含まれるぬか漬け等は、腸内の細菌バランスを良好にし、体が備えている防御メカニズムを活性化する働きがあるそうです。しかも食物繊維もたくさん摂れる。毎日何を漬けようかと楽しんでいると、自然と、次の日の夕飯もきちんとした和食を作る。苦手だったはずの酒粕も、お気に入りのものに出会えたことで、レジスタントプロテインによる腸内改善も期待できます。健康維持の鍵は、腸内細菌の状態からと聞いたので、仕事などのストレスは簡単には改善できなくとも、せめて食事によるコントロールから始めてもいいですね。

タンパク質を多く取りがちな、現代の食生活。自家製発酵食品を上手に取り入れて、善玉菌の代表格である乳酸菌を増やして、楽しく健康を保ちたいです。

vol.
026

「羊毛フェルト」

最近、夢中になることってありますか?私またまた出会ってしまいました!この10年くらいの間、色々なことに挑戦すると新しい発見があり、今でも続けていることが多いです。たとえば石けんづくりだったり、保存食づくりだったりといろいろありますが、今回もビビっときてしまいました。

それは、今更ながらフェルトニードル。一時期ものすごく流行っていたと思いますが、その時は何も響かなかったのに、とある外国の作家さんの作品を見て、衝撃を受けたというか、心に刺さったというか。日本のものはゆるキャラ的なものが多くて、そういった「かわいい」があまりわからない私にとって、ずっとスルーする存在でした。

ただ、そこへ今回海外の写真や動画で、リアルな動物や海外の絵本に出てきそうなネズミを発見して、電撃が走ってしまったのです。こんなものを作ることができるのか!とね。で、初めての挑戦でまずは、テディベアらしいものを作ってみたのですが、やっぱりリアル熊が作りたい。そこでますます作家になってやるくらいのつもりで、火が付いてしまったわけ。作家になるかどうかはさておき、私の中では久々のヒットです。針を使って羊毛を固めて形にしていく作業なんて、無心になってどんどん時間が経っている。若干老眼で見えづらいという難点はありますが、この細かな作業がたまらなく好きだという自分を発見してしまいました。

もともと大の動物好き。飼えない動物もいっぱいあるのだから、自分で作ってみるのもありかもね。または歴代のペットたちを再現するのもいいだろう。そんなことを考え出したら、夢まで毎日そのことばかり。早く上達したくてたまらない大きな野望を持ってしまった芸術の秋でした。

vol.
025

「秋のものづくり」

過ごしやすい時期になって、ようやく創作意欲も湧いてきました。今年の夏は、どうも蒸暑すぎて、何かを作ろうとかアイデアが浮かぶといったことから、完全に遠のいてしまいました。

でも、これからは涼しくなるし、冬に向けて何かと室内にいることが多くなります。これは物づくりには最適な時期でもあります。身近なことでは、実りの時期ですのでお料理やストック用保存食もしかり、そろそろ古くなった手ぬぐいもたまってきたので、ダスターにするために雑巾縫いもやらないといけないし、その延長で刺し子もやってみたいし、コツコツと作業を進めていきたいと思っています。手作り石けんも、寒くなると非常に良質な石けんになります。

実は、数年前から挑戦しようとして、手つかずになっていた液体せっけんの基材。水酸化ナトリウムを使用する固形石鹸とは、また違った使い心地の液体石けんは、水酸化カリウムと無水エタノールを使います。是非自家製の洗濯洗剤や食器洗剤を作りたいと思っているのですが、工程がちょっと大変そうで手が付けられずにいます。これをなんとか今年は着手しようかなと。

後は、苦手な写生にも挑戦したい。日本画は、筆遣いだけでもうまくならない。よく観察する写生も上達には必須です。この苦手な写生は、一度も習ったことがないので、自己流ではありますが、時間を作ってなるべく色々なものを描いてみたいと思います。目標は、扇子や手ぬぐいに絵を描く事。とにかく今は涼しくなってきて意欲だけは満々。後は物づくりに必要なゆったりした時間を、どううまく作り出すか。それが今の私の重要課題なんです。

vol.
024

「夏の大掃除」

年末の大掃除は、もはや当たり前になっていますが、夏に大掃除ってしていますか?
うちの会社では夏休みに入る前日に、暮れと同じように大掃除をします。拭き掃除に始まり、床の雑巾がけ、窓と網戸や水回りはもちろん、不用品の処分、デッキやタープなどの高圧洗浄までとことんやります。これで綺麗になった休み明けは、また気持ちよく仕事が出来るのです。

こうしてオフィスを綺麗にして休みに入ると、今度は自分の家も綺麗にしたくなるもの。私の場合は、お休みが少し長めにあることもあり、夏休みに入ったらまず、2日間は掃除に費やします。全体的な大掃除に1日。2日目は断捨離に。人は半年間で、物を案外ため込んでいることに、いつも驚かされます。書類や雑誌などの紙類も、半年経つと不要になっているものも多い。洋服や靴なども、
半年前にはまだ着るだろうと取っておいても、結局はクローゼットの中で一度も出番がなかったり、体系が変わって時すでに遅しだったり(笑)家にある物を半年ごとに見直してみると、もったいないと言いながら不用品を仕舞い込んでいるものだな~と実感します。

また、これは自分の心掛けが悪いのですが、食品においても、忘れ去れた乾物がとっくに賞味期限を切らしていたり・・・。今回も、いくつかそんな数か月前の賞味期限の乾物を出してしまい、思いっきり反省しました。おかげで不用品の整理で、棚1列分か引き出し1個分くらいは、家から物が消えます。今回は、10月の地元のフェスティバルに出そうと思い、古本を思い切って整理してみました。

仕事柄、インテリアの本などを買い込むことが多いのですが、そんなにたくさん持っていても仕方ないし、仕舞い込まれた趣味の本も意外と数がありました。最近は物が増え始めていて、もう少しミニマムに暮らしたいと感じていたので、ちょうどいい機会となりました。これでまた、年末の大掃除で不必要な物が整理出来たら、次に物を買うときは、もっともっと吟味して、物を増やさないように頑張りたいと思います。半年ごとの大掃除は、自分の生活を見直すいい機会ですね。

vol.
023

「絵手紙に挑戦」

一昨年の冬から、伯母に誘われるままに絵を習い始めました。

顔彩という絵の具と、墨で描く日本画です。簡単に言うと色鮮やかな水墨画と言ったところでしょうか。最近ある程度の基本が出来てきたので、下手でも楽しくなってきました。

お稽古の課題に留まらず、ちょっと気を抜いて、いたずら書きもするようになってきたので、徐々に絵手紙にも挑戦し始めています。まだまだ上手とは言えませんが、ちょっとした気持ちを絵手紙にすることで、何倍も気持ちが伝わるような気がしています。今は、手紙を書く機会が少ない時代で、大抵はメールで済ませてしまいますよね。だからこそあえてハガキを使って、自分の気持ちや
ちょっとした連絡をするのも、またいいのではないかと最近感じているのです。もちろん美しい絵が描けるにこしたことはないけれど、その手紙のために、たとえ下手でも季節的なものや、頂いた物の絵などを添えたらきっと自分も楽しいし、受け取った相手にも、気持ちが伝わるような気がします。

また、絵のいいところは、上手に描きたい気持ちから、その描きたいものをよく観察するようになること。観察すると、今まで気づかなかった細かいところが見えてくるから面白い。花ひとつとっても、いかに自分が知らないことが多かったか気づかされます。自然界にあるものすべては、実に精緻で巧妙にできている。雑草であれ何であれ、命の不思議を感じるのです。まさに神がお造りになった創造物!と言われても納得です。身近なところに、絵になる素材はふんだんに転がっています。自分の描いた絵と言葉で、相手に気持ちを伝える。そんな時間と心の余裕のある暮らしっていいですよね。

vol.
022

「公園のもつ意味」

先日、とても素敵な公園に出会えました。都筑区のとあるギャラリーに、知人の個展を見に行った時の事です。目の前にある竹林のことを尋ねると、このあたりでは有名な公園だというのです。ちょっと覗いてみると、あまりに美しい公園だったので、雨が降っている中、ぐんぐん奥へ奥へと進んでしまいました。竹林を抜けた芝生広場には、小川のように設計された水路がせせらぎ、その水の流れは趣きのある眼鏡橋を通り、やがてスイレンの池にたどり着きます。奥には雑木林のような散策路もあり、池はカモ、コイやカメ、メダカなどが生息し、ハナショウブも咲いていました。昔ここが農村であったことを思わせる、古民家が移築され、「水と緑のまちづくり」という、港北ニュータウンの開発理念に基づいて造られた美しい公園でした。

この「せせらぎ公園」は、昭和54年に日本都市計画学会賞を受賞した公園ということで、まるで避暑地に来たかと錯覚する場面が、何か所もありました。雨の公園で、こんなにも美しく癒されたのは、ほどよく整備され、ゴミもなく澄んだ水に生き物が共存し、雨でより青々しく映えた葉の艶、濡れた大木の幹と、余計なものがない公園の姿なのかも。こんな素敵な公園が家の近くにあったら、そこで何をして過ごすのだろうと、考えただけでワクワクしてしまいます。

また、ギャラリーのある建物は芝生広場に面して、とても雰囲気の良いカフェが併設され、この地域の人の癒しの空間になっているはず。芸術にふれ、自然に触れながら、お茶をする至福の時間。公園がここまで、癒される場所だと感じたのは、世田谷美術館のある砧公園以来かな。改めて公園のもつ意味を知った、素敵な出会いでした。公園めぐりって、楽しいかもしれませんね。

vol.
021

「色をあそぶ」

ゴールデンウィークに、自宅の壁を塗ったんです。日本の住宅の大半は、ビニールクロスの壁紙かと思いますが、我が家は塗り壁なんですね。自分の経営している会社の住宅も、ほとんどがドライウォール工法という壁工法で、仕上げを水性塗料仕上げにしています。この工法については今回は横に置いて、意匠的に色で遊ぶことが出来る塗り壁は、実に自由度が高いんです。クロスは、早々何度でも張り替えるものでもない。でも、この塗り壁は欧米でもよく見かけますが、彼らはよく塗り替えます。私がロスで住んでいたアパートメントも塗り壁だったので、補修の際もマネージャーが来て、塗装してくれていました。

日本人は、自分で家に手をかける人はまだまだ少ないですが、最近はDIY女子なんて言葉もあるように、自分でお洒落な空間を作りたいと思う女性も、年々増えてきていますよね。というわけで、私もすべて白い壁の我が家を、気分転換にリビングの1面だけグリーン系に塗り替えてみました。今回は、お手本を見せてもらいたかったので、職人さんのお手伝いというか、養生の仕方や塗り方を教わりながらだったのですが、次回は気軽に自分で塗り替えられそうです。

塗り替えの楽しさは、まず色選びから。まず家全体の雰囲気や家具の色、床の色などとバランスを見ながら、自分の好きな色のサンプルを壁に貼っては眺めという具合で、考えることがとっても楽しかった。ドライウォールは何度でも塗り替えが可能で、また白にも戻せるという安心感もあったし、気軽な気持ちで始めました。時間は2度塗りでも4・5時間でしょうか。シンプルな家具は引き立ち、空間に奥行き感もでて、雰囲気も一新です。次は、ドア枠を塗る予定なんですよ。皆さんも生活の中で「色」を遊ぶという事を、楽しんでみてはいかがでしょうか?

vol.
020

「スパイスの世界」

スパイスと聞いて、まず何を連想しますか?やはり多くの方が、インドカレーや、女性が大好きなチャイティーを想像するのかな?家にスパイスってどのくらいあるものだろう?たとえば、ハンバーグにはナツメグを入れたり、お菓子にシナモンを入れたり、ペッパーも定番のスパイスですね。私は、とにかく食べることが大好き。だからお料理もいろいろ挑戦してみるので、普段使い慣れないスパイスも持っていますが、結局は賞味期限が過ぎてしまうのです。我々の多くは、スパイスの使い方や役割を、実はよくわかっていないので、あるレシピに使用しても応用がきかないのよね。なので、常日頃どうやったらスパイスって使いこなせるのだろう??と、思っていました。

そんな中、自分でオリジナルチャイを作れるよと伺って、大変興味をそそられたんです。そこで、スパイスを販売している会社の方を講師に迎え、ワークショップを開いてみました。スパイスの効能をレクチャーしていただきながら、みんなでオリジナルチャイを作る。参加された方の多くが、やはり女性でした。

皆さんお料理好きが多く、本当に興味津々。知っているようで、意外と知らない効能や香り。それをしっかり理解した上で、自分だけのオリジナルチャイを作っていったのですが、ブレンドも多種多様。色も香りも味も、みんな個性的です。私は冷え性なこともあり、かなり大量のドライジンジャーをいれたので、皆さんと試飲する最中から、体はぽかぽか、顔が赤らんでいきました。正直ちょっと入れ過ぎたようですが、数種類のスパイスをブレンドしていく作業は、本当に奥が深いし面白かったです。

そして、その方に教わった4つのスパイスで作るカレーレシピにも、ハマってしまいました。今までインドカレーは食べに行くものと思っていたし、チャイも買ってくるものと思い込んでいたのが、嘘みたい!自宅でこんなに美味しく作れちゃうなんて!これはどうやら暑い夏に向けて、しばらくハマりそうな予感です。

vol.
019

「級友という存在」

今月、なんと高校卒業25年ということで、母校の銀祝会というのに招待されます。

卒業して25年と聞くと、ものすごく遠い昔に感じますが、振り返るとほんのちょっと前の事のように思えてなりません。もちろん
細かい記憶は飛んでいて、級友たちと思い出話しになれば、そんなことあったかしら?と思う事もたくさん出てきます。そうかぁ、あれから25年も経ったのか・・・。

2年前に、卒業して2回目の同窓会がありました。1回目は卒業した翌年。それからずっとなかった同窓会で再会した級友は、もう当時のグループとかクラスとか関係なくなっていました。今では、SNS上でも多くの級友が繋がっているので、高校時代よりずっと近くに感じるような気がします。年に数回色々なメンバーで会う機会も増えています。海外に住むメンバーが戻るたびに食事会が開かれたり、お料理など自分の得意分野に興味をもったメンバーが集まっては、なにやら面白い会が開かれている気がします。

子供の頃は、好き嫌いやらグループが別などと言って交流がなくとも、こうして時が経つと共に、そんなことはどこ吹く風で、幼馴染みに会えるという事自体が、幸せだと思える年齢になってきました。

一緒に過ごした10代から、はるかに時間が経ってしまった今。みんなしっかりと成長し素敵な女性へと変身していて、25年経った今の彼女たちから、新たに学べることがたくさんあります。時の流れがくれた大切な宝ですね。

vol.
018

「備えあれば」

この冬、湘南も大雪に見舞われました。普段、雪に不慣れな私たちは、あれだけの雪が降ると色々と影響がでてしまいます。私の住む山側は、ほんとすごかったですよ。こんな時、やはり日常の備えについて、考えざるを得なくなります。3年前の震災もそうですが、温暖化の影響か、ハリケーン並みの台風やこうした大雪に見舞われることは、特別なことではなくなってくるのかもしれません。ここは、関東甲信のような孤立集落になることはないとしても、ある程度の燃料や食料の備蓄について日常的な対策をしておくことは大切ですね。といって何か特別な話しではありません。

震災時や今回の大雪。オール電化のお宅で停電があり、本当に困ったという人もいたようです。やはりこの時代、ライフラインは2種類の確保が必要だと思っています。といってもガスや灯油でも、

ほとんどの暖房器具は主電源が必要なものが多く、停電時には使えません。画期的なエネファームですら、停電時に起動しません。電源不要のアラジンのような暖房器具を使う事もいいでしょうし、震災そして計画停電を経て私なりに考えた備えが、今回大雪による停電で活かされました。ちょうど夕食時に停電となり、体の弱った老いた動物の暖も必要な時間帯。用意してあったオイルランプで明かりを取り、カセットボンベ式ガスストーブで温まりました。火の扱いをきちんとすれば、どれも大変重宝する品々です。そして普段使いに卓上コンロがあれば、カセットボンベは古くならないし、もちろん調理にも困らない。食料も慌てて買いこまなくとも、乾物や小麦粉などを上手に利用して、美味しくて温まる物を食すことが大切ですね。ここできっと瓶詰保存食も役に立つでしょうし、常日頃生活に組み込むことで、不慣れな天災にも慌てずに暮らせる、サバイバル力を高められるのではないでょうか。日頃から上手に生活して、災害時にもっと強くなりたいものですね。

vol.
017

「始末のいい暮らし」

前回の柚子の話のように、ごみが出ない利用法や調理法などは、実に気持ちがいいものです。そんなことを考えていたので、今年の目標は「始末のいい暮らし」はどうだろう?と思うようになりました。

もともと、丁寧に暮らしたいという気持ちはあるので、物を吟味して購入したり、手入れをして長持ちさせたり、シンプルな生活は心掛けてはいるのです。それでも仕事で忙しいということにかまけて、食材をだめにしてしまったり、時間がないからと、勢いで買って使わない物や服が出てきたり、いつまでも仕舞い込んだままの段ボールがあったり・・・。

そのあたりを、今年はもう少しグレードアップさせた暮らし方を心掛けたい。4月からは消費税も上がることだし、生活にも多少なりとも影響がでるわけです。たとえば食事に関してもそう。素材のいいものをシンプルに食べたい、という気持ちは変わりません。でも、たとえばお出汁に取った昆布を、ついつい面倒だからと捨てていたところを、きちんと再利用したりすることも忘れない自分でありたい。ようは次につながる準備と後始末をきちんとすることで、もっともっと始末のいい暮らしにしたいかなと。またそれを思いっきり楽しむ気持ちが、一番大切だと思っています。保存食を作ることも、みんなに自慢して楽しんでいるので、始末の良さも是非ともお友達と共有しながら、積極的にアピールすることで、面倒で苦痛な作業ではなく、自分自身が楽しめるようにしたいと思ってます。

vol.
016

「ゆず」

冬になると、庭先で採れた柚子を、いろいろな方から頂く機会が多くなります。今年は特に、たくさんの柚子が我が家にやってきました。いつもはお鍋の薬味にしたり、お風呂に入れたりしていたのですが、それでは間に合わないほどの量を頂き、新鮮なうちに使い切らねばと、いろいろ試してみることにしました。頂いた方からは、柚子ジャムを作ってみては?と勧められましたが、私はあまりジャムを食べないのでさてどうしよう?

そこでお役立ち保存食の本をあさって、柚子酒や、「塩レモン」ならぬ「塩柚子」を作ってみました。塩レモンもかなり使える調味料なので、きっと和食にあう調味料として重宝しそうです。出来上がったらドレッシングにも加えてみたいですね。また、この時期しか出回らない柚子は、一年中薬味としては大変重宝するので、今回は乾燥させることも考えましたが、やはり皮を冷凍しておくことにしました。そうすることで、いつも香りのいい柚子が使えます。

さて、ここから皮をむいた実の部分は、果肉と種とを分けます。種は、日本酒に漬けて冷蔵庫へ。数日経てば、とろっとしてきて化粧水&美容液として使えます。ホワイトリカーと違って、アルコール度数が低いので、敏感肌の私でも大丈夫。ただし、冷蔵庫で保管して、消費期間はお早めに。また、実の部分は、グラニュー糖と一緒に軽く煮てシロップにしました。これで冬はホットレモンならぬホット柚子が楽しめます。そして、気が付けばゴミが出ていない!柚子は、捨てるところがないということですね。まだ少しあるので、残りは練り柚子塩を作ってみようと思っていますよ。

こうして、たくさん頂く機会のあるものを、無駄にしない知恵ってたくさんありますね。食べ物を無駄にしたいための保存食づくりって、本当に大事だと思います。

vol.
015

「料理と器の関係」

以前、久々に母と買い物に出かけた際、リーズナブルで程度も良い越前漆器の丼重を購入しました。お重を買っても、たまに食べるウナギの時にくらいしか出番がないのでは?と思っていると、売り場の方のお話では、昔は蓋に家々の家紋を入れ、差し入れなどをする際によく使ったとか。家紋が入っているので、お返しの品が入ってまた戻ってくるそうなんです。いわゆる今のタッパーのような役割をしていたんですね。知らなかったなぁ。

母もウナギやちらし寿司などに限らず、ちょっとお弁当風に食事をしたり、その他の丼ものでも良いしというので、我が家にやってきました。確かにそぼろ丼でも、お弁当でも、お重に詰めただけで不思議なもので立派な食事に見える。黒内朱塗りのお重が
また、料理も引き立ててくれている気がします。なので、丁寧に食べたくなるのが器のすごいところですね。今我が家では、あえてお重に入れて食事をすることが多くなりました。

忙しい日に、スーパーのお惣菜が食卓に並ぶこともあります。それをどう美味しく食べさせるかは、食事を出す我々の工夫しだいなんですよね。温め方、盛り付け方、そしてなんといっても器の選び方。最近、日本では欧米の影響を受けて、ワンプレート化が進んでいるようです。今、日本食は、無形文化遺産登録に向けた取り組みが行われています。かつては、食卓に数々の器が並んだ日本人の文化。欧米の食文化と共に、片づけをする側の面倒も重なり、本当にワンプレート化は我が家でも進んでいます。だからこそ和食を食べる時くらいは、美しい和食器を綺麗に並べて、きちんと食事をするように心掛けています。食に興味を持てば、自然と器にも興味を持ち出すものです。この皿には、こんな料理があう。そんな風に食事を楽しめる、気持ちのゆとりを持った40代でありたいです。

vol.
014

「つなぐ」

9月に「暮らしを豊かにする物」をテーマに、初めての物販イベントをやってみたんです。ガラス作家さんをはじめとするアーティストの方々、オーガニックハーブのお店にフェアトレードのコーヒー店、スパイス専門家の作る福島復興支援カレーから、新鮮な長野の農産物を扱う直売所の方、木工や漆などの職人の商品に始まり、パンや和菓子職人まで、あらゆる楽しいジャンルが集合しました。物づくりへの思いをそれぞれ持っている方の集まりゆえに、この2日間の盛り上がりと言ったら最高でした。それが来場してくださった方々にも伝わり、にぎやかなイベントになったんです。もちろん出展してもらった物が売れることは大切なのですが、なによりも願っていたのは、このイベント会場がコミュニケーションの場になるということ。

作り手同士、作り手と受け取り手の中で、また新たな交流やアイデアが生まれていく事を願って企画しただけに、誘導せずとも自然と交流が生まれたことが、何よりもうれしかった!

ジュエリーデザイナーさんと和彫金工房さんとの繋がりが生まれ、鎌倉山の和菓子屋さんと長野の農産物生産者さんと横浜の天然酵母のパン屋さんが、それぞれで新しい限定商品が生まれ、家具屋さんと工業デザイナーの方が繋がり、飛騨のオブジェアーティストの作品が参加者の湘南の店々に飾られ、障がい者と共に作る美味しいコーヒー屋さんのもとに、障がいのあるお子さんをもつお母さんたちが話を聞きに駆けつけたりと、今も発展し続けてるからすごい。

先日も直売所で、長野のもち米と大豆を使って和菓子職人が作ったおこわが販売されていたし、パン屋さんと和菓子屋さんのコラボあんぱんの試食もさせてもらいました。ハーブ屋さんに行けば、オブジェが飾られていたし、みんながイベントを通して繋がっていることに感動しました。

一つの場所から、人と人が繋がり、物と物が繋がり、地域と地域が繋がっていく。私が前々からやってみたかったことだけに、改めて「つなぐ」ということの大切さを知りました。どんなに便利になっても、結局人って、アナログな関わりに心打つんだな。

vol.
013

「夜のウォーキング」

私は、運動があまり好きではありません。そのうち40歳を過ぎると、基礎代謝が落ち始め体重が増えだすし、贅肉の付き方に変化が出てきました。以前通っていたスポーツクラブも、仕事が多忙になるにつれ足が遠のき、毎月支払いだけを済ますという状態になり、2年前に退会。一方休日の犬の散歩は1時間以上していたのも、犬が高齢になるにつれ少なくなる。移動手段がすべて車の私は、どんどん体を動かさなくなるという悪循環。去年の春に、人生最大に体重が増えたため、さすがに危機感を覚え、自宅でDVDを観ながらダンスをして少し減量に成功したものの、自己流過ぎて膝を痛めるし、ならば炭水化物抜きダイエット!と試みて減量しても、ご飯を食べたい欲求を抑えられずリバウンド・・・

そうなんです。普段の生活をちょっと改善したくらいでは、あともう一歩はどうにもならない。そして体を動かさなさ過ぎる自分に、最近恐怖すら感じていたこともあり、ふと思い立って夕食後に軽いウォーキングを始めてみました。

坂の多い住宅地なので、初日は15分で汗が大量に出てびっくり。徐々にその日の体調に合わせて、30分から1時間の間で歩くようになると、今まで頑張っても越えられなかった体重があっさりクリア!もちろんやめればすぐに戻るのでしょうが、キープどころか更に目指す体重に近づいています。となれば楽しい嬉しいで、歩くわけ。そのうちむくみの解消やら睡眠の質の改善やらメリットが出てきました。なんでもっと早くからやらなかったんだろう?まあ、夜の一人歩きは怖いとかいろいろ億劫がる理由をつけていた自分に大反省です。「雨の日や晩酌した日は歩きません」と、緩めの設定により気軽に続けています。なかなか減量が出来ない方には、夜の40分から1時間のウォーキングに効果があることは、とある記事でも読みました。ジョギングよりもウォーキングで、深い呼吸をしながら歩くのが効果的とか。少しずつ涼しくなり寒くなっていくので、私がどこまで続ける気になるのか、若干自分の甘さに不安も感じつつ、とにかく体のためにも夜のウォーキングは、続けてみようと頑張っています。これが徐々に早朝へ移行できたら立派なもんです。

vol.
012

「調味料にこだわる」

食べることが好きな人で、料理がもっと上手になりたいと思っている人は多いでしょう。家であのレストランの味を再現できないかとまねたり、何が入っているのか研究してみたり。そのうちに素材にこだわりだす。活きのいい食材を求めたくなる。そのうちに添加物の入っていない手作りの味を求めだす。これって決して私だけの話ではないと思います。

 

今までお料理は習ったこともないので、洒落た料理はできません。おもてなし出来るような豪華で見栄えのするものも、得意ではありません。それに年々シンプルなものが好きになっていく自分もいます。

ただ素材へのこだわりは、逆に年々強くなってきました。素材そのものの味を楽しみたい。そのためにシンプルな味付けにしたい。そうなると、どうしても味付けをする調味料に左右されます。美味しい醤油、味噌、塩、オイルに興味が向きます。自分で作るタレやディップなどにしても、素材のいいもの、味のいいもので作りたいし、段々とこだわりたくなっていくものなんです。

美味しいと評判を聞くと買ってみたり、地方から取り寄せたりお土産に頼んだりと、いつもご当地の有名な調味料の話には耳を傾けています。「○○ばあちゃんの手作りゆずこしょう」だの「○○地方で伝統の味を守って作られた」醤油だのお酢だの。

一つひとつやはり味の違いがあって、「これには魚があうね」とか「これを○○と合わせたら美味しいだろうね」なんて会話が増えて、新鮮な食材をそのまま使ったり、炭で焼いたりして、素材そのものを楽しむことが多くなりました。もちろん有名レストランのお料理も魅力的なのですが、自宅で家族と食事をしながら「これはどこのお醤油?」なんて楽しい会話が増えるのは、とても有難い食事をさせてもらっているなと、しみじみと幸せを感じるこの頃です。

旬の物を、こだわりの調味料を使ってシンプルに頂く。これが今私のマイブームなんです。

vol.
011

「人となりを表す美文字」

美しい字が書けるようになりたい。この時期頂くハガキを拝見する度に、心の中でため息交じりに常々思います。

会社宛に頂くお礼状や季節のご挨拶として、心のこもった達筆なお葉書を目にするたび、心を奪われてしまう自分がいます。字が美しいってそれだけで素晴らしい。特に年配の方から頂戴するお葉書の美しさは、目を見張るものが多いのです。さらりと書いた文章でも、字体の美しさで、味わいのある手紙として読んでもらえる気がしますよね。

字は、その人の「人となり」を表しているとよく言われますが、それは仕事をする上でも、実感できます。職業と字体も密接に関係していると感じることもあります。設計者の字体、編集に携わる方の字体。アーティストの方のものなど、なんとなく共通点すら感じることがある。更に、年齢や性別によっても文字に個性が浮き上がってくる。たとえ美しくなくとも、ユーモアで味わい深い字もあれば、せっかちさがそのまま文字に表れる人もいる。文字の大きさなどでも、その人の性格や仕事の質まで見えてくる場合もある。本当に不思議なものです。だからこそ、文字が伝えることの大切さを認識しなければいけないとも感じています。人様に見せるものに対する、自分の姿勢が表れてしまう気がしてなりません。

ならば私は、知的で古風な女性を感じさせる美しい文字に憧れます。さらっと書いた手紙から、その「人となり」として大人の女性がもつ優雅さが、垣間見れるような美文字が書ける自分になりたい。美しいと他人が感じるのは、容姿だけではありません。特に年を重ねればなおさらの事。私から受け取った手紙をみて、「この人って、なんだかおっちょこちょいで雑な人ね」と思われる女性にだけはなりたくないな。

そんなことを本気で考え始めました。

vol.
010

「ズッキーニ栽培に初挑戦」

多くの人が憧れる家庭菜園。私もなにかと忙しいことを理由に、今まで手を出してはいなかったものの、いつかは食べる分くらいは自分で作ってみたいという夢は持っていました。祖母も、庭で数種類の野菜を育て味わっていたのを思い出します。

そんななか、ある方からズッキーニは栽培がとても楽だと伺って、まず頭に浮かんだのがズッキーニの花フライ!貴重な食材であるズッキーニのお花は、市場でもイタリアンシェフが買い占めてしまうため、なかなか一般の手には入りづらいとか。このお花、咲いたばかりの朝に収穫された新鮮なものを使って、中にチーズを入れてフライにするんです。

ご存知の方も多いと思いますが、ビールを使った衣でサクサクに仕上げれば、最高のおつまみになります。その美味な熱々の花フライを肴に、ビールでもワインでも相性は抜群です。これを我が家で収穫して食べられるとあれば、育てないわけにいきません!

で、太陽がいっぱいあたるデッキで、挑戦してみました。プランターボックスですが、びっくりするほど成長が早く、雌花が咲いたらあっという間に、実が大きくなり出します。こんなにつやつやで立派なズッキーニは、スーパーではなかなかお目見えしませんよ。
初めての花は実を育てたいので取らずに、次に咲いた花を2つ朝のうちに収穫して、その晩花フライを頂きました!なんと贅沢な味わい。この季節しか味わえない旬の味覚を、自宅で栽培して料理する。なんとまあ有難いことでしょう。一昨年収穫できたオリーブの木は、虫の被害にあって当分実をつけないでしょうから、今はじゃがいもとピーマンを栽培しています。

来年は、もう少し手を広げてみたい気持ちが沸々を湧き上がっています。大玉トマトで自家製トマトソースとかもいいかも。そのうち畑がほしい!と言っているかもしれませんね(笑)

vol.
009

「外だってリビングルーム」

5月に、オフィスのデッキを主役にしたイベントを行いました。

テーマは「アウトドアリビングを愉しもう!」ということで、家の一部であるテラスやデッキを最大限に活用しましょうという趣旨のものです。よく新築の打合せ時に、デッキを作りたいというお話を多く頂きます。私たちもお勧めもしています。お引っ越しをされて数年はBBQなどを楽しみますが、徐々に頻度が減っていき、洗濯物を干すだけの空間となっていくことがほとんどと聞きます。もちろん、室内から眺めて、部屋の延長線のようなデッキがあることは、空間に広がりをもたせるという重要な役割もあり、気持ちもいいのですが、眺めているだけではもったいない!

そこで、今回デッキを日常的にもっと活用してもらおうとご提案をしましたが、自分でも多くの事を再発見したイベントでした。まず私も含め参加された方々の感想は、植物が大変効果的な演出をしてくれると言うこと。殺風景な空間より花や緑に囲まれると、人はその場所でリラックスしたいと考えるのは当然かもしれませんね。

また、通りなどからの目線を隠す工夫や手間をかけずに、室内のように使いたくなるアイテムや雰囲気づくりなどの細かなアイデアで、人はその空間を活用したくなるものなのだということがわかりました。スペースの大きさに関係なく、そこが気持ちの良い空間だと感じれば、お茶を飲んだり、本を読んだり、一眠りしたり・・・その場所でホッと息をつきたくなるものです。

普段意識しない空や雲の形、街の音、鳥の声などを感じることで、きっと新しい発見があるはずです。使わなくなったデッキでも、少し手を加えて魅力ある空間に蘇らせ、お気に入りのマイスペースにしてみてはいかがでしょうか?

vol.
008

「ねこの生命力」

今年になって腎不全の老猫は、いよいよ血尿がとまらなくなってしまいました。初めは膀胱からかと思っていましたが、やはり腎臓からの出血で、先生曰く、数値的にはすでに末期の状態。毒素となるリンや尿素窒素なども、計測器を振りきるほどの数値ということで、いつ尿毒症を引き起こしてもおかしくない状況です。朝目が覚めてまず思うのは、「独りで逝ってしまってないか」ということ。体調も一進一退で、とても元気かと思えば、次の日冷たくて暗いお風呂場や洗面所の奥でジッとしている日もあり、ひやひやな日々を過ごしています。

先日、朝いつものベッドにいないので捜してみると、トイレの中でうずくまっていました。腎不全は力むだけでもとにかく疲れるそうで、脱水症状も起きていたため点滴で事なきを得ました。そこから私もより意識をして、注射器で水を強制的に飲ませることで、2.3日で食事がとれるまでに回復しました。もちろん腎不全がよくなることはありません。でも、何度もこれで最期か?!という私の心配をよそに、幾度も復活する我が猫ちゃんの生きようとする力の強さに、先生も私も驚かされています。この子は、猫の中でも自分で治そうとする治癒力が強いと先生は言います。今は、毎日の水分補給で、お目目もキラキラ輝いて日向ぼっこをせがむ毎日。むやみな延命をするつもりはありませんが、彼女の生きようとする力がある限りは、出来るだけ手助けをしてやりたい。そんな日々です。

ただひたひたと生きようとする猫の生命力に、我々も見習わなければいけないなと、毎日感心しています。「死ぬまで生き続ける」とは何かを、動物をみて改めて学ぶ今日この頃の私です。

vol.
007

「見せる片づけ方」

自慢ではないのですが、「家がいつも片付いているね」と、よく人に言われます。

たぶんそれは、仕事の関係で家を見せることも多く、来客が頻繁にあるからでしょう。

でも私は、正直言って掃除上手ではありません。実は「見せるための片づけ方」というのが、ポイントなんだと感じています。

物が出ていても、見せ方ひとつで印象は変わります。雑然と置かれていると、人は散らかっていると認識するものですが、大きさを揃えたり形を整えたり、またはラベルをすべて正面に見せたり向きを揃えたりで印象が変わります。それだけで雑貨屋さんのように見せることが可能になるんです。ようは置き方が、ポイントになるということですね。

その他の工夫として、市販の趣味に合わないパッケージのものは、可愛らしいガラス瓶や陶器の入れ物に移し替えるというひと手間を加えます。私の場合は、家の中に多く色を使いません。基本カラーは、白とブラウン系。植物でグリーンを楽しみ、その他の色は、アクセント程度。そのため、気になる色味の入れ物は、カゴなどに収納してしまいます。

すると、不思議と部屋が片付いて見える。統一感が出てくる。しかもちょっとおしゃれに見える。見せ方を考えることで、印象は大きく変わるものなのです。お店のディスプレーで、商品のイメージやお店の雰囲気が変わるのと、同じ効果だと思います。

処理しなくてはいけない書類にしても、しまっちゃうと忘れるし、乱雑に置いておけば散らかって見える。そこに、書類ケースやボックスを飾るように置くだけで、散らかったイメージがなくなるもの。不思議ですね。

あとは、出したらしまうという行為が、日常生活の中で、行動パターンに組み込まれてしまえば、しめたもの!出したものをポンと置く行為と、元に戻す行為とそれほど大差はありません。物の定位置がきちっと決まっていれば、いざ来客という時に、ものの数分で見せる片づけが完了します。見せ方上手さんになると、片づけもまた楽しくなりますよ。

vol.
005

「適正な価格」

たとえば、フェアトレードという言葉。途上国の製品を購入する際に、耳にしますよね。

「フェアトレード」とは、途上国の生産者から、原料や製品を適正な価格で継続的に購入することで、立場の弱い途上国の生産者や、労働者の生活改善と自立を目指す運動のことを指しますが、私たちが生活の中で、使っている物や食べ物などが、どうやってできているか考えたことがありますか?

今、低価格商品が当たり前の世の中、製造過程を知ったらぎょっとするものも、良質な製品も、購入者は同じレベルで考えていることも多いではないかな。コップひとつ、家具ひとつ、食べ物ひとつをとっても、どんな人たちによって、どのように作られているのか。もしそれを知ったら、物を買うという行為って、簡単に値引き交渉できないものが実はいっぱいあるんですよね。

これは低コストを競う商品についてのお話ではなく、良質な物には、適正価格を支払うことが本来の姿と、作り手を知ることで強く感じるようになったというお話。実際に自分が気に入った物が作られる過程、製造工程を目にした時、舞台裏で大変な苦労があったと初めて知ることって、意外と多いんですよ。それを目の当たりにした時、とても値引きをお願いできないものって世の中には、たくさんあります。

途上国の物だけに限らず、長持ちする良い物、素材のいい食べ物というのは、適正な価格で、しかも本人が気に入ったものであれば、きちっと対価を支払って手に入れるものだと私は思います。するべきことは自分の目利きの力を磨くことです。

その上で自分が太鼓判を押したものは、表示された価格で快く購入するというのが、正当な買い物の在り方と改めて感じています。自分が気に入った物は、価格も評価基準に入れて、買うということです。値切ってまで買う必要は、本来ないように思うこのごろです。

まずは、値切る前に、物の良さを見極める力をつける事が、これからは求められる時代になってくるのではないかな?

vol.
004

「お味噌の会」

さて、今年のお正月、どんな風に過ごされましたか?

正月と言えば、私の初仕事は味噌づくり。毎年1年分のお味噌を仕込みます。今年は欲張って、いつもの倍の量を仕込みました。というのは、最近私のお味噌を気に入って、楽しみにしている方が増えてきたからなんです。何年か仕込んでいるので、手土産でもっていく先も徐々に増えたせいか、こうした嬉しい声を頂いて、作ることに張り合いがでます。去年から、お味噌作りを体験してみたい!という声も何人からも頂いたので、仲良しグループごとに、「お味噌の会」を開くことになりました。

お昼を持ち寄って、楽しいおしゃべりを交えながら仕込んでいきます。これは女性としては、楽しいイベントの1つですよね。前回はみんなが仕込んでいる間に、自家製お味噌を使って野沢菜のお焼きを作り、最後のお茶うけに出しました。それを喜んでくださって、「子供にも作ってあげたら、すごく気に入ってくれて~」なんて、嬉しい話も聞いたりして。

こうして、古くから私たちに継承されてきた手作りの習慣を、生活の中に少しでも復活していけたら楽しいですよね。1人でやるのは、大変だしつまらない。でも、仲間が集まって作れば、本当に楽しい作業になります。そして、それぞれの家に持ち帰り、大切に作られたお味噌が家庭の味となり、家族からも喜ばれれば、それは素晴らしい事。手をかけて作られたものは、絶対に美味しいんです。そこからお子様への食育も始まっていくのではないかな?

市販の物は簡単でいいけれど、やっぱり家庭の味、母の味が、きっと食卓を一層にぎやかなものにしてくれると、私は信じています。食べ物に限らず、何か自分にできることをお友達と共有しあって、手作りの良さを広めていくことって素敵ですよね。

vol.
004

「動物と共に生きる」

さあ、新しい年が始まりました。今年も更に実のある年にしていきたいと思います。

去年は、我が家に新しい仲間が加わった年でした。春にやってきた子猫を、新たに迎え入れた老猫と老犬との暮らしです。笑ってしまうほどのやんちゃぶりで、茶目っ気たっぷりの小さな命が、本当に毎日を楽しませてくれています。思うのは、動物にもそれぞれに性格があり、癖があり、感情があり、心があるということです。

もちろん人間よりも色々な面で劣るでしょう。でも、心を持って生まれた命として、その命に重いも軽いもないということを、動物

との暮らしを通して、強く感じながら日々を過ごしています。血の繋がりもなく、種さえも違うもの同士が、こうして平和で仲良く暮らせる有難さを、実感する毎日です。

老猫は、数年前に腎不全を患い、今年1年命が繋がれば御の字だと先生にも言われています。でも去年は子猫の登場でずいぶんと元気になった気がして、子猫を迎え入れたことが功を奏したと思っています。生後1年半を過ぎると、1年ごとに4歳の年を取ると言われているペット。若いと思っていたつもりが、ある日突然老いを目の当たりにするのです。

歩き方が変わったり、できたことが出来なくなったり、人間の時間軸とはまったく違う流れで過ごしている。同じ場所で寄り添いながら、生きるスピードが違うとは不思議な感覚です。お互い同じ時を過ごし、同じ記憶を持ちながらも、いつしか私の歳を超えて先立っていく。

私にとっての1年、老猫にとっての4年。これを後悔のないよう大切な時間として、今年は目をかけてやりたいと思っています。

vol.
003

「絵を習う」

絵の得意不得意は、何よりも自分が決めつけている事は多いのではないでしょうか?と言う私も、幼い頃から絵が上手に描けなくて、苦手分野として隅の方に追いやっていました。でも、心の底では上手な人がうらやましいし、自分もそうなりたいという憧れって誰でもありますよね?

絵は描ける方がいいに決まっているので、私には無理なんて言わず、一念発起して絵を習う事にしました。幸いにして私の伯母が日本画の先生です。まずは基本となる「つけたて法」という、輪郭線を描かずに物の形を色の濃淡やぼかしなどで表現する方法で描く絵だけを教えてもらうことになりました。

もちろん、そんな簡単には描けないでしょう。今習っている「もみじ」も難しく、椿が描けたら一人前なのだそうです。でも、継続は力なり。5年10年と続けているうちに、自分のものになるかもしれないもの。まあ、プロになろうってわけじゃないし、何よりも絵を描くという行為が、ものすごく心にいい影響を与えてくれることがわかりました。

仕事から帰って疲れている時もあります。もやもやした気分の時もあります。でも僅かな時間でも筆を持ち、ゆっくりと絵を描くという行為が、意識を絵だけに集中させ、向上心と探究心旺盛の自分になっていく。すると自然と気持ちが落ち着き肩の力が抜け、一日を終わることができるので、大変満足しているんですよ。

日本画の絵の具をまだ揃えていないので、毎日墨をすって濃淡の練習をしているのですが、本当に奥が深い。でもやりがいを感じていて、今はただひたすら上手になりたい気持ちでいっぱいです。気分転換に最適で、仕事にもより集中するようになりました。
仕事とは別に、何か打ち込むものがあるって本当に素敵ですね。

vol.
002

「ちゃぶ台」

ちゃぶ台というと、「巨人の星」で星一徹がちゃぶ台をひっくり返す。このイメージが強いけれど、ひっくり返したのはどうやら1度らしいですね。そんな世代の私なのですが、このちゃぶ台というのがどうにも好きなのです。

大好きだった祖母との和みの時間はいつも、ちゃぶ台越しにお茶を飲みながらいろんな話をしたものです。私にとって癒しのアイテムがこの「ちゃぶ台」。数年前にお施主様でもある家具作家さんにちゃぶ台を作って頂きました。材質は大好きなウォールナット材。
足を折りたたんでいつでも簡単に片づけられるのも魅力です。

人がたくさん集まった時にも便利だし、ほっこり床に座って食事がしたい時、手縫い仕事をしたい時などに重宝しているのですが、何よりも一番のお気に入りは外メシ用。春から秋にかけて頻繁に外メシは行われます。デッキに持ち出し、アウトドアダイニングとしてきちっと空間も食器もセッティングしてから、食事をします。

春は旬の山菜を天ぷらに、夏・秋にはたこ焼きや、七輪を使ってキノコやサンマを焼いたり。外に出したちゃぶ台で食べるこれらは、実に味わい深く、BBQとはまったく違った楽しみ方です。夜風を感じて空を仰ぎ、虫たちの声を聴き、月の光と小さな照明で程よい暗さの中、ゆったりと友と語らい音楽に耳を傾け、静かな時間が流れていく不思議なひと時です。

若い頃から、縁側でお月見をしながら晩酌が憧れでした。七輪で、干物でも焼きながら静かに語らう。これが夕食の理想形だった私。外食するより何よりも、贅沢な食事の時間です。外メシは、夕食の準備をすることすら楽しくなるのが不思議です。これは癖になりますよ。

さて今年は、初冬あたりに鍋でも挑戦してみるかな。

vol.
001

「日本手ぬぐい」

先日、新しい日本手ぬぐいを買おうとあるお店に寄ると、秋の七草模様の手ぬぐいが飾ってありました。今年の残暑は厳しくとも、もう庭先で葛の花を目にしたり、犬の散歩道で、栗やススキを愛でたりと、変わりゆく季節を楽しむことができますね。

子供の頃、家に来る御用聞きの店々から、お年賀など季節の挨拶にはいつも手ぬぐいを頂いたのを記憶しています。それが意識にあったかは定かではないけれど、10年ほど前に、都内で洒落た手拭い専門店を見つけて以来、気に入った柄を少しずつ集めてきました。と言ってもあくまで実用を兼ねていますので、大量に収集しているわけではありませんが、この手ぬぐいの素晴らしいところは、なんといっても丈夫なこと。

そして最近では、伝統的な柄からキャラクターものまで、何百種類もの手ぬぐいを、ネットショップでも買える楽しさがあります。私は、やはり日本的な縞・格子・絞りと言った和柄が好きで、特に浴衣に多く用いられる「吉原繋ぎ」や、最近見つけた江戸時代から伝わるそそぎ染めの「唐草に菊」は、タペストリーとして額に入れても美しい絵柄でした。

こうしたお気に入りの手ぬぐいを、主にキッチンで使用していますが、色が褪せてくれば、手縫いで刺し子にして台布巾(ダスター)へと変身。汚れてくると今度は、雑巾へ。糸の色を変えて手縫いで遊ぶ過程も楽しみつつ、又とにかく丈夫で、10年前に買ったものもまだ現役で頑張っています。両端が切りっぱなしなので乾きやすく、雑菌もたまらない。洗濯もどんどん出来るので、タオルよりもずっと便利。最近では、お風呂でも大活躍!お風呂好きの私は、様々なボディタオルを試してみましたが、日本手ぬぐいが一番気持ち良いことを知りました。最後に絞って、パンパーンと叩いて水切りすれば、あっという間に乾きます。

家の中に、和物がちょっとあると、どうやら落ち着く年齢になってきたのでしょうか。火鉢や鉄瓶や土鍋などちょこちょこ集めて、生活を楽しんでいます。食欲の秋、今度は料理を楽しませてくれるお皿を探しに出かけようかな。