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TOWNY 茅ヶ崎版 ホームへ > MY LIFE > 「モノづくりを物語る」

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雑誌バイザシーにて「+湘南SPICE」を連載中の
技拓株式会社、白鳥ゆり子社長のエッセイ。
スローライフの楽しみ方は必見。

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TOWNY MYLIFEプロフィール

本物の湘南スタイルを提唱する注文住宅 技拓株式会社 代表取締役。主に、家づくりのソフト面となるライフスタイルの提案を担当。心が豊かになる暮らし方、湘南での楽しみ方をコラムやイベントを通して紹介している。ブログはこちら

vol.
057

「モノづくりを物語る」

少し前に面白い本をみつけました。虎屋17代目の黒川氏と、エルメス本社前副社長の斉藤氏との対談本です。本の中で、「日本人は手で考える」というフレーズが目に留まりました。わたし達は、確かに素材の良し悪し、モノの形などを確認するにとどまらず、やはり手から伝わる感覚をとても大切にする人種であることは、確かかもしれない。手先から得る感覚に五感を集中させることは、もはや当たり前の行為としてある。たとえば寿司を食べる行為すら、それに似ているとさえ私は思います。

あるいは、良質なモノに出会い触れる行為。材質の良さ、フォルムの美しさを手先からの情報で確かめようとする。その上で、その素材は何でどこからきて、何故このデザインが生まれたのか、背景にある物語を知りたくなる。「モノ」とは、そもそも文化的な背景を携えて生まれ、物事の背景にある歴史や文化が深くかかわり、それを知ることによって、そのモノがもつ本質が見えてくるとも記されています。それは家づくりという私たちの仕事においても、同じことが言えます。

今日本は、欧米文化を追いかけ、あらゆる「モノ」を取り入れてきた時代から、ようやくそのブランドの持つ世界観を、生活に取り入れる段階に入りました。ブランドだからいいのではく、そのブランドのもつ物語性に惹かれ、生活で世界観を体験する人たちが増えているのは、モノづくりについて理解が深まってきている証だと思っています。

これからの時代、モノの本質を知るために、まず自分たちの感覚を磨きながらも、質を重視した世の中になっていってほしいと、私は思っています。