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雑誌バイザシーにて「+湘南SPICE」を連載中の
技拓株式会社、白鳥ゆり子社長のエッセイ。
スローライフの楽しみ方は必見。

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TOWNY MYLIFEプロフィール

本物の湘南スタイルを提唱する注文住宅 技拓株式会社 代表取締役。主に、家づくりのソフト面となるライフスタイルの提案を担当。心が豊かになる暮らし方、湘南での楽しみ方をコラムやイベントを通して紹介している。ブログはこちら

vol.
029

「鎌倉山のメジロ」

去年の7月、我が家の優秀なハンター猫が、巣から落ちたとみられるメジロのヒナを咥えて帰ってきました。その猫は、99.9%仏さんにしてしまうのですが、このヒナに関してはすぐに救い出したこともあり、ほとんど無傷でした。野鳥保護センターに問い合わせてみると、保護目的であれば一時的に面倒を見ても構わないという事で、それから2か月半のメジロとの共同生活が始まりました。

6月に幼馴染を亡くしていたので、まるで彼女が戻ってきたような気持ちがして、私がしてあげられなかった彼女への思いと重なり、懸命に世話をしたところ、野鳥とは思えない程よくなつき、いつも私を目がけて飛んできては餌をねだり、夕暮れ時には髪の毛の中にもぐりこみ眠るのでした。

それがある日突然、3羽のメジロが迎えに来て、導かれるように巣立っていったのですが、飛び立ってしまってから1時間ほど経って、1羽でまるでお別れを言うかのように、顔を一瞬だけ見せに戻ってきました。それ以来間近まで来ることはありませんでした。あれから4か月近く経ち、餌が少なくなった冬を心配して、正月から自宅デッキにミカンを用意してやると、つがいのメジロが餌を摘みにやってきます。あの子かもしれないし、そうでないかもしれない。でも、野鳥と触れ合った濃密な時間で、私はメジロの小さな声も聴き分けるほど、メジロ好きになったのは、言うまでもありません。

春になったら、巣立ったあの子が、巣を作りにまた戻ってきてくれるのが私の夢です。