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TOWNY 茅ヶ崎版 ホームへ > MY LIFE > モノに、命を吹き込む

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雑誌バイザシーにて「+湘南SPICE」を連載中の
技拓株式会社、白鳥ゆり子社長のエッセイ。
スローライフの楽しみ方は必見。

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TOWNY MYLIFEプロフィール

本物の湘南スタイルを提唱する注文住宅 技拓株式会社 代表取締役。主に、家づくりのソフト面となるライフスタイルの提案を担当。心が豊かになる暮らし方、湘南での楽しみ方をコラムやイベントを通して紹介している。ブログはこちら

vol.
059

モノに、命を吹き込む

兼ねてから、興味のあった金継ぎ。いつかはやってみたいと思いながらも、なかなかチャンスに恵まれず。そんな中、仲良くなった漆師さんが金継ぎもしてくださるということで、自分では体験できませんでしたが、やっていただけることに。では、何を金継ぎしてもらおうか。割れた高価な器を持っているわけでもなく、この先もずっと長く愛用したいものが、はてあっただろうか?
考えた末お願いしたのが、かれこれ20年ほど前に、陶芸体験をして自分で作った梅小鉢。長い間愛用していたが、数年前に割ってしまったのだ。それに金継ぎをしていただくことにして、つい先日私の手元に戻ってきた。その器、自分で接着剤を付けたせいで、味もそっけもないお皿になってしまった。その最初で最後の処女作は、金で継いだことによって、趣がでてなんだか素敵なんです。しかも直していただいたことで、自分の中で更に愛着が深まってしまいました。
安価なものは特に、なんでも捨ててしまう世の中。正直金継ぎなどは、そのモノ自体よりも直す方がむしろ高くつく。
でも、なんでしょうね。この満足感、それにこの至福感。もちろん、それなりの思い入れのある品物でないと、こうはいかないのでしょうが、お願いしてよかったです。自分は、壊れ物に命を吹き込んだんだぞという気持ち。
骨董市なんかで、ちょこっと金継ぎされた器なんかを見ると、逆に欲しくなるこの感覚。
以前使っていた人が、この器を大切にしていたんだろうなと思うと、自分のところにいらっしゃいと言いたくなる。金継ぎって、なんだか人の心意気を感じるんです。